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キャラクターとライセンス<35>川上と川下

ライセンサーからマーチャンダイジングに行き着くまでの、ライセンスの流れを書くよ。
ちょっと、今まで書いたことと被るけどね。

製造業では、原材料が製品になって世の中に流通し、消費されることをよく川上・川下にたとえていますよね。
これは、ライセンスの世界も同じことです。
ライセンスする「コンテンツ」が作られて、製造業を経て、小売業に流れ、消費者に届きます。
その仕組を簡単に説明しますよ。

最も川上に当たるのが、「クリエーター」が生み出すコンテンツになる。
いわば、温泉の源泉に当たるところ。
クリエーターも温泉と同じように採掘される場合もあるし、クリエーター自ら生み出したコンテンツを、自分が川に流すこともあるんだ。
前者は昔からの流れ、後者はここ10年くらい、特に最近は多くなってきたね。

昔からの流れを見てみよう。
コミックや新聞漫画、アニメーションといった、商品化を目的としていない、クリエーターが産み出したコンテンツがあって、それを「これでランチケースに印刷したら子供が喜ぶんじゃないか?」と考えた人がいた。
その人は、ブリキのランチケースのメーカーの社長で、アメリカでは子供の100%が学校で食べるサンドイッチのケースを持っていたので、えらく儲かっていた。
新聞社に行って、「この漫画を印刷したい。お金払うから原画を貸してくれ」
新聞社は「そんなもん捨てるもんだから、持っていきな!お金はくれるならもらっておくよ」

ということで、今までは無地のブリキのランチケースに印刷して、雑貨店で売り出したら大当たりした。

このケースでは、漫画家→新聞社(コンテンツホルダー)→ブリキ商品メーカー(ライセンシー)→ユーザー
という流れだ。

このビジネスモデルを見た、頭の良い起業家が、「じゃあ、アニメーションの絵も売れるんじゃねぇ?」とアニメーション制作会社へ行って、「文房具にこのアニメの絵を使わせてね。アニメの宣伝にもなるでよ!」と権利だけ手に入れて、ノートのメーカー、鉛筆のメーカー、かばんのメーカーへ営業して、権利の又貸しをした。

このケースでは、アニメ制作会社(コンテンツホルダー/クリエーター)→起業家(エージェント)→各メーカー(ライセンシー)→ユーザー
という流れになるね。

最近の流れはというと、もちろん昔からの前述は生きたまま、コンテンツが氾濫している現在は、何でも有りの状態となってるね。
一番シンプルなのは、
クリエーター→ネット販売→ユーザー
となるよ。
クリエーターも、デザイナーから、iPhoneのカメラで撮った写真を商品化しようとする素人まで、絵が描けない誰もがクリエーターになれるから、その気さえあれば、誰でもコンテンツホルダーになれるんだ。(ここ重要)

ネット販売のシステムも、Webに自分のコンテンツをアップするだけで、オンデマンドで欲しい人からの注文で1個から販売できる。(ここが最近の新しいところ)

そして、ユーザーも欲しい物をネットで注文するだけで、自宅に届くという、便利な世の中だ。

だからこそ、コンテンツのオリジナリティが他者との差異化になるから、クリエイティビティは重要なんだけど、それもまたネットで勉強すれば、プロに近いものが作れるようになる。

↑様々なクリエイティブを素人でも勉強できるオンラインプログラム

とはいえ、ライセンスをビジネスとしているのは、やはりクオリティの高いクリエイティブであることは間違いない。
ウォルト・ディズニー、サンリオ、Peanuts、ディック・ブルーナ・・

整理すると、
ライセンスの流れは何でもあり。

クリエーター(C)

ライセンサー(So)

エージェント(A)

ライセンシー(Se)

ユーザー(U)

上記を基本とすると、
C→A→Se→U
C→So→U
C→Web→U
C→Se→U
など、色々あるよ。

だから、最川上はいつでもクリエーターで、最川下はいつでもユーザーということだけど、その流れは蛇行していたり、直線的であったり途中に関しては自由だし、これからもっと変わっていくかもしれないね。

つづく

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