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キャラクターとライセンス <14>ディズニー

前回の続きです。

今回はディズニーと仕事した話しです。
ずいぶん昔話になるから、今のディズニーさんとは違っていると思うけど、大きなキャラクターの仕事をしたこと、書いてみますね。

<11>で書きましたが、スヌーピー専門のデザイン事務所を始めて、エージェントと監修のたびに打ち合わせや、交渉を繰り返していました。
エージェントは多くのスヌーピーのライセンシーと契約していて、ほとんどがメーカーさんです。

あるとき、エージェントに行き、スヌーピーの監修で打ち合わせをしたときに、「ライセンシーのA社が監修通らないデザインばかりつくってくるから、そこのデザインをやってくれないか?」と。
たぶん、A社がデザイナー紹介してくれと頼んだのだと思う。

それでA社のスヌーピーのデザインと監修作業を請け負うことになったのだけど、A社はスヌーピー以外にもいろいろなキャラクターのライセンシーだったのです。
それで他のキャラクターのデザインや監修作業もやることになり、色々なキャラクターのライセンサーのところへ行き、監修のミーティングをすることになったよ。(キャラが違うことで、監修のルールの違いや癖を勉強したなぁ)

そうすると、スヌーピーのエージェントと同じように、またライセンシーを紹介されて、色々なキャラのデザインを色々なカテゴリー商品でデザインすることになった。(←ここ上り調子)

その中の1社がディズニーのライセンシーで、当時西麻布にあったディズニーの事務所へ通うことになったのです。
で、ディズニーの担当者がこちらの仕事を気に入って、「新しくミッキーのコンセプトを作りたいのだけどやる?」と言ってくれました。
WHY NOT?とは言わなかったけど、とても嬉しくて、すぐに引き受けましたよ!

その、ミッキーの新しいデザインコンセプトというのが、「ジュニア向けに活動的で明るく元気なミッキー」。
「ジュニア」というのはファッション用語で、7〜15歳の子供のことです。
ちなみに、「ベビー」は1〜4歳、「トドラー」は4〜7歳です。

「ネーミングも考えてくれる?」と言われたので、WHY NOT?「いいよ!」と。(←偉そうになってきた感じだけど、実際はそんな言い方してないハズ)
2週間ほどで決まったネーミングは「Mickey J スポーツ」。
我ながら、いいネーミング付けたな!と思った!
この「J」とはジュニアのことではなくて、Join、Joy、Joyous・・(細かいこと忘れた)とにかくいい言葉がたくさんあるからJいいよ!って。

担当者が会議でまったく同じ説明して、そのまま決まったという話です。
それで、アートの方は、鉛筆書きでラフ絵でポースをいろいろつくって持っていき、ディズニーのクリエイティブ(ディズニーでは絵を描ける人はアメリカで数ヶ月研修を受け合格すると資格が与えられて、その人が監修し、本国へは監修に出さなくて良いという権限がある)の人がポースを直しながら清書して元になるイラストを描き起こすのです。

ポーズをたくさん決めて、ロゴを決めて、いろいろやって、最後にCDに焼いて納品。その頃はDVDなんてなかったから、CDに圧縮したイラストやらを詰め込んだんだ。
マスターCDをディズニーがつくって渡され、数十枚の複製CDを外部に発注して納品しました。

ディズニーはそのCDを多くのライセンシーに渡して、そのコンセプトアートを使って子供服や玩具などをデザインするのです。

ライセンシーになると、今でこそアートガイドなどはWEBからダウンロードすることが多いのですが、当時はえらくお金のかかったCDなどのメディアを貸し与えられました。(契約終了と同時に返さなくてはならないものです)

今回も遠い目をして思い出しながら書きました。スヌーピー専門でT社のために作ったデザイン事務所なのにライバルキャラクターをやったことがT社にバレてはいけないと、ずいぶん内緒にしてました(暴露)

つづく


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