「配達手続きが完了しました」
自粛疲れの反動なのか、このところ物欲の亢進傾向があり、今週はG-SHOCKの新作を買った。Yカメラの通販だ。
ポチッとしたら配達予定は「2日後」との表示。特に急ぎでもないので、まったくそれでいい。
ところが、翌日になって「配達手続きが完了しました」という通知がスマホに舞い込んだ。「お、1日早まったのか」と少しワクワクしながら帰宅したが、ブツはない。家族も「知らない。届いていない」と言うし、宅配ロッカーにもないようだ。「誤配されちゃったのか」「誰かに持っていかれちゃったのか」と悪い想像が次から次に湧き上がる。
翌朝になってYカメラに問い合わせの電話を入れる。名前と注文番号を告げるとすぐに「予定日でお知らせしておりますように、本日お届けでございます!」「でも『配達手続きが完了しました』ってあるけど・・・」「配送会社に渡したという意味でございます!」。終始、一点の曇りもない爽やかな男性の受け答えであるが、「この文章ってかなりわかりにくいよねー」というプチ苦情は華麗にスルーされた。
ブツはその日にちゃんと届いた。
なるほど、Yカメラ社内の手続き上では「配達手続きが完了した」とは「配送業者に手渡した」という意味なのだろう。しかし客はそんなことは知ったこっちゃない。この文章は「届けましたよ」としか読めないではないか。社内の処理ならわざわざ客に知らせなくてもいい。そういえばYカメラの通販では数年前にも同じことがあったことをやっと思い出した。あの爽やかクンにも無用の負担になっているだろう。同様の問い合わせは来ていないのか?
ホントにこれは些細なことに過ぎない。それでも、顧客目線を忘れたこの表示によって惹起されたあのムクムクとした不安感と、電話をかけた手間がバカバカしいというザラッとした感触はいつまでも心に残る。以って他山の石とすべし。
(21/11/19)
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