アトピー性皮膚炎治療薬を薬剤師が解説します。

こんばんは、ほるみんです。

以前こちらの記事でアトピー肌の方の石鹸を紹介させていただきました。

アトピー性皮膚炎の肌の病態は

1.肌の炎症
2.肌のバリア機能の破壊
3.痒み

という3つの要素があります。
このうち、肌のバリア機能を回復させ、皮膚を刺激から守るために前述の石鹸選びが大切となります。

実際の現場では肌の炎症が特にひどい時は、まずはステロイド外用薬を用いてある程度炎症を抑えます。
ところがステロイドバッシングは今でも根強く、私がアトピー性皮膚炎の患者様に投薬する際にも「ステロイドは怖いから塗りたくない」という方が少なからずいらっしゃいます。

しかし、「何が怖いんですか?」と聞いて、理由を答えられる人はほとんどいませんでした。

「分からないけどテレビでそう言ってたから……」という理由で漠然と怖がっている人はいるものの、正確に自分の意見で回答を言えた方は私の知っている限りいませんでした。このあたりがマスコミの報道の影響ですね。

ステロイドは「適切に」使えば怖くない

ということは必ず覚えておいていただきたいです。
「適切」とは1回の使用量が少なすぎず多すぎず、また回数が少なすぎず多すぎず、正常な皮膚にずっと塗り続けない、といった感じです。ステロイドは医師の指示通りに使えば怖くないお薬です。

ステロイドで肌の炎症をある程度落ちつけたあとは、「タクロリムス軟膏(製品名:プロトピック軟膏)」という軟膏でさらに炎症を抑制して皮膚を良い状態に保つことが大事です。

タクロリムス軟膏の良いところは「正常な皮膚からは薬が吸収されず、皮膚の状態の悪いところから薬が吸収されるように出来ている」という点です。
ステロイドとは違い、正常な皮膚に使っても薬は吸収されず、皮膚が薄くなる、乾燥する、と言った副作用はほとんどない軟膏です。

ただしタクロリムス軟膏の使い始めの1週間ほどは、塗ったところから「サブスタンスP」と呼ばれる痒みを起こす物質が放出されるため、刺激感や熱感に悩まされることが多いです。
タクロリムス軟膏を使い続けているとサブスタンスPは枯渇するため、約1週間を我慢出来れば肌の状態は良くなりますが、この期間が辛い方が結構多いです。

そこで登場したのが、2020年6月発売の「コレクチム軟膏」です。

ステロイド外用薬の弱点と言えば「使い続けるとバリア機能が弱くなっていく」ことで、タクロリムス軟膏の弱点と言えば「使用開始時の刺激感や熱感」ことです。
コレクチム軟膏にはその弱点が少なく、「バリア機能を修復させながら免疫細胞や炎症細胞の活性化を抑制し、皮膚への刺激や熱感もあまりなく皮膚の炎症を抑制する」というお薬です。

発売してまだ1年経っていませんが、隣の皮膚科より処方され、投薬した患者様からは副作用報告もなく、割と高評価を得ている気がします。

アトピーに悩んでいる皆様、我慢しないでまずは専門医に相談してみましょう。そして肌のバリア機能をなるべくきれいに保ってください。







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