見出し画像

この世にたやすい仕事はないことはなんとなく知ってる

 もうずいぶん長い間、所属や会社まで変えながら似たような仕事をし続けてきたけれど、転職し時なんだろうなと思うし、なんというかもう潮時なんだろうなという気持ちが高まってしまって、平日仕事をしながらもぼーっと新しい仕事ってどうやって探したらいいんだろうなと考え込んでしまう時がある。

 以前、SNSで見かけたよい仕事の条件という話題で「仕事の内容」「人間関係」「待遇(お金)」の3つが揃っていれば最高の仕事、でもそれに出会えることは滅多に無い、そしてどれか1つしかない、1つもないという場合にはすぐに辞めた方がいいというのを見た。私の場合、今のところ自分が生活するのに困らないお金をもらえているという1点のみで、今の仕事に踏みとどまっている気がする。

 私はずっとソフトウェアの技術サポートをやっている。相手は企業のユーザーや、導入、運用支援をしているパートナーさん。会社の業務で使用しているソフトウェアなのだから、思い通り動かなかったり、製品の不具合を引き当てて大変なことになってしまえば、当然こちらは相当のプレッシャーを受けながら仕事をするし、突然罵詈雑言を浴びせかけられる場合もある。実際この仕事は、製品が流行っている時は人もどんどん入ってくるけれど、心身削られて離脱する人も多いし、優秀で行動力のある人は、その経験を元に次の仕事に旅立っていくものだ。

 なんで私はこの仕事を続けてきたのかなとぼんやり思う。
 サポートの仕事は、同じ製品に関わる仕事でも、営業やサービス、開発に比べて軽んじられることが多い。まあ半分くらいは私の被害妄想だと思うけど。
 営業やサービスはお客さんからお金を取ってきてくれるし、開発がいなければ製品は出てこないし直らない。サポートって他人が取ってきたお金と、作ってくれた製品で食わしてもらってるのわかってる?という詰められ方は、結構経験した。そういうならサポート無しで回してみればいいと思う気持ちはあるけど、お金を取ってこられない、モノを作れるわけじゃないという劣等感はサポートにつきまとう。少なくとも私にはつきまとってる。
 それでも続けてこられたのはなんでだろうな。

 今までこの仕事を辞めたいなと思うのは、酷い案件を掴んでしまい、ちっとも解決の目処が立たない中でお客さんや営業から強いプレッシャーを書けられ続けて疲れ果ててしまった時や、あとは単純に仕事量が多すぎて解決出来るものも出来なくなってストレスが爆発したときだった。でも今は何だか違う。
 担当している製品を挟んだ向かいで仕事をしているパートナーさんやその先にいるユーザーさんのために、よい働きをしたい気持ちは変わらないし、彼らがいるからこそどうにかと思う。所属する組織や同僚が言い出すことは信じられないことが多いし、何も支えにならない。この仕事はつらいことも多いけど、この組織、人ならやっていけるって思っていた時期は過ぎてしまったということなんだろうな。

 どの仕事を選ぶか、続けるかって、もっと合理的に損得勘定で決められるものじゃないかと思っていた。むしろ感情的な要因を排除してこそ、正確に見極められるものくらいの意識でいた。でもどうやら違うみたい。
 足がもう一歩も前に出ていかない、よくわからないけど足が動かない、気持ちがついてこない。組織の成功や失敗に、良くも悪くも気持ちが動かされくなってしまった。
もうこうなったら、新しい仕事を探しにいくしか無いなと思う。そんな年の瀬。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?