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日記絵 *2024/6/23 「いえ」

20数年ものあいだ同じ家に住んでいたから引っ越しの経験がほとんどなく、これが終わったら前の家を思い出して寂しくなることもあるのかなぁ、となんとなく思っていた。


でも全っっっったくそんなことはなかった。


引っ越し当日、物が全て運び出されて空っぽになった部屋からは、長い時間そこで過ごした「私たちの家」という感じは1ミリもなくなっていた。まるで魔法にかけられていたかのように、綺麗さっぱり消えた。本当にここは今まで生活していたところ?と疑ってしまうほど。
その周りの歩き慣れた道すらも、初めて来た場所のように感じた。



不思議で、衝撃的だった。
自分たちの物がなくなり生活の香りがしなくなるだけで、家ってこんなにも見え方が変わるのか、と。


そして今、新居にて。
少しずつ家の中のものが整い始めてきて、ここは私たちの家だ!と感じる瞬間が増えてきた。昔から住んでいたかのような安心感が生まれ始めている。

新しく買った物もたくさんあるのに、慣れ親しんだ部屋の感じがする。不思議だけど、すごく嬉しくて、そういう類の嬉しさは、人生初の経験かもしれない。

住む人らしさが家らしさ?


"住めば都"というように、大事なのは場所というより住む人なんだなと、その言葉の意味を初めてちゃんと理解できた気がする今日この頃です。


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