採用担当のための人事知識

【本情報の対象】
・人事以外の職種から採用担当になった方
・採用担当しか経験しておらず、他人事の仕事がわからない方

【読む上の注意点】
・一般的な話しをするよう注意はしますが、役割分担や考え方は会社ごとに異なる可能性が高いため、ここに書いてあることを理解したら、他の情報源にもあたるようにしてください。
・わかりやすいように一部細かい部分は省いてあります

1.人事の機能
人事の機能としては、下記の5つに分類することができます
A.人員配置
B.人材開発
C.人事制度
D.採用・退職
E.労務

このうち、A-Dは会社のビジョン・戦略達成のために組織と人を前に進める役割を担います。Eは前に進むためにどう社員を活用するか、そして社員が前に進もうと思ってもらうように仕組みを提供する役割を担います。

では、ここからもう少しそれぞれの役割をブレイクダウンとしていきます。

A.人員配置
異動・転勤・昇格降格などを担う機能です。会社では毎年入社・退社があり、組織変更もあり、評価もあります。それらを見据えながら、適切な部署・役割に適切に人を配属していくことが求められます。

会社における個人のキャリアに大きな影響力を発揮する一方、だれをどの役割に任せると成果が最大化できるかを考える部署でもあるため、社員個人の理解が求められますね

B.人材開発
会社により言い方は変わりますが、いわゆる教育・研修を担う機能です。人材開発は、その会社が目指すビジョンや戦略に基づき、どのような人材が必要か、その必要な人材と現状のギャップを考えて、どうスキル・能力を開発していくかを考え、実行していくことが求められます。

開発を行うために、年代や役職別の集合研修が行われてきましたが、今後はサクセッションプランやタレントマネジメントシステムなどを踏まえ、活用し、どのような役割で何を経験させていくかも考えることが求められます。

C.人事制度
会社が求める人材をベースに、社員をどう処遇し、評価をしていくかを仕組みとして考え、実現してく役割です。人事制度というと色々イメージされますが、基本となるのは、"等級制度" "評価制度" "報酬制度"の3つです。
この3つのサイクルをまわすことで、人の成長を促進することになります。

人事の他制度や施策はこの3つの仕組みを基本に構築されることになるため、企業としての方向性だけではなく、働く人についての理解が求められます。

D.採用・退職
会社が必要な人材(スキル経験の面と人数の面で)を内部で確保できない場合、外部から人を獲得してくる役割と、社内でキャリア形成が難しい人材の退職を担当する役割です。採用は未経験者(新卒)と経験者(中途)、正社員と契約・パート・派遣など、いくつかの切り分けがあります。退職については採用担当が担うことはないですが、INとOUTの両面は人事としては認識することが必要です。

採用は会社のビジョンや戦略理解が必要なことは他役割と同じですが、組織風土の面なども考え、人を集め、選抜し、動機付けることが求められます。退職は評価・人材開発などと関わりあいながら、社内での機会がない社員をいかに円満にOUTしてもらうかを考えることが求められます。
※退職は日本企業だとあまり考えている企業は少ないと思います

E.労務
労務領域は人事の中でも幅が広いのですが、基本的なミッションは下記2つに集約できると思います。
a.社員が安心して働くことができる環境整備
b.会社のリスク回避

主な役割としては、
・給与計算
・勤怠管理
・社会保険手続き
・安全衛生管理(健康診断/メンタルチェック/安全衛生委員会など)
・規程管理と運用(就業規則など)
があり、労働法との関わりが一番強い部門でもあります

もう少しブレイクダウンして、勤怠管理をaとbのそれぞれから整理してみます。
aの視点
・勤怠管理は1分単位で行われているか
・紙ではなく、正確な時間管理が行われる仕組みがあるか
・サービス残業がないよう、管理・監視されているか
・有給が必要なときに取得できるようになっているか
bの視点
・36協定を締結しているか
・36協定を超過して勤務している社員はいないか
・特別な働き方(裁量労働や変形労働時間制、フレックス)などが適法に運用されているか

というように、1つの役割にa・bの観点で考え、管理し、もし適切でない状況であれば、是正をすることが求められます。

勤怠は通常、有給の申請や打刻漏れの処理、月次の締めしか見えていないので、簡単な運用に見えがちですが、この1つの役割からしても、経営や部門長、社員に対して管理監督を行う重要な役割を担います。


※追記
役割としていったん省いたのはこの辺です
労働組合担当/評価管理/工場人事系の詳細(よく知らないので)/賞罰管理

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