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半人前な副業大工育成講座 (企画書から抜粋)

お金で買う「便利で楽な家づくり」とはまた別の方法で「楽しむ家づくり」

(合同会社 廃屋/西村組 代表 西村周治)


この企画を通じて共有したいと思っていることは
「つくるという行為を楽しむ」ということなんです。

その楽しいをみんなに共有したいという思いを前提として企画を作れたらと思っています。

だからこそ、今回の講座では「半人前大工」を育成したいなと。

半人前って馬鹿にするけど、半人前でもいいじゃないと特にDIYに関しては思うこともある。
ちょうどいい半人前さが今の世の中には必要じゃないかな。完璧じゃないちょうどいい改装したい。

精度の高い大工さん、職人さんはそれはそれで大事だけど、みんながみんなそこにならなくっていいし、
楽しくないなと思いながらお金の為にいえなおしをするより、楽しみながらいえなおしをして、
お施主さんも、大工も、職人さんも、みんな楽しめるいえなおし、いえづくりができるのがいいなって。

それを専業でできるようになっても良いし、
副業でできる感じでも良いのじゃないかなって。

副業で大工、兼業で大工。

不動産屋で大工、建築士で大工、なんかはもちろん、
雑誌編集者で大工、デザイナーで大工、服屋さんで大工、農家で大工…
いろんな大工が居ていいと思うし、居たほうが面白いと思う。

そういう人たちが町にいっぱいいると、空き家は問題なんかじゃなくって、楽しめる資産になる。

だから、そういう半人前で副業で兼業でできる大工を育て続けたいなと思ってるんです。
(合同会社 廃屋/西村組 代表 西村周治)




(おさらい)大工とは

>大工(だいく)とは、主として木造建造物の建築・修理を行う職人のこと。古くは建築技術者の職階を示し、
木工に限らず各職人を統率する長、または工事全体の長となる人物をさしていた[注釈 1]、
番匠(ばんじょう)とも。現在の建築業界においてはさまざまな新しい技術や工法、新建材の知識はもとより、
建築工程をまとめる過程において建築業務に携わる他職人や業者の関連業務知識が必要とされる場合があり、
現在でも木造建築の建築業務などにおいては実質的現代棟梁であるとされる場合が多い。

Wikipedia 

多くの人が持っていた「大工」という職能

近代化以前はほとんどみんな複業、兼業、半人前な大工が当たり前だった


百姓は百の姓(仕事)を持つ人たちのことで、大工もそのうちの一つ


古くから稲作が盛んな日本では、多くの人たちが集住し、農作業を中心としたコミュニティを形成し、集団で生きてきました。

そして農閑期になると皆で共有財産である水路や道を整備し、
また里山で薪や炭を調達し、罠を作り狩りをし、果物をとり、加工食品を作り、工芸品を作り、冬ぞなえをしたりして暮らしてきました。

そんな感じで、(農業を収益の中心にしつつも)
それだけでなく、百(たくさん)の姓(仕事)を持つ人たちの事を百姓と呼んでいたそうです。

その百の姓の一つに「大工仕事」がありました。

専従の大工/職人も多くいたようですが、
日本の人口の85%程度を占めていた「百姓」と呼ばれた人々のうち、
(今で言う「副業」「複業」「兼業」的に)
それなりの人たちが大工という職能も持ち合わせていたようです。

家を建てられるようになったら一人前

社会の中で生きていく大人として、心得た方が良い技能として

そして、家を建てるぞ!となった農閑期に、それまで鍛えた土木、製材、加工の技術を活かし、
また地域の人たちの力を借りるためにコミュニケーションを取ったり、それまで積み重ねてきた信頼をもって、
お金の力だけでなく、自分の大工技術だけでなく、集落の皆の力を借り、それらをまとめて、家を建てられるようになるわけです。

各自が考え、提案しあって進めます

そう、少し昔、昭和の頃に言われていた言葉とは全く違う意味合いで
昔々の田舎では「家を建てられるようになったら一人前」だと思われていたわけです。

基本的な能力として、職能として大工を習得する

お金で買う便利さとはまた別の方法で

それが日本が近代化をむかえると、都市化と分業化、専門化が進み、百姓という存在は稀有になり、
お金/貨幣制度と言う便利な道具を用いて家を建てるようになりました。

結果、多くの人が持っていた大工の職能は一般的なものではなく、専門職だけになりました。

便利で安全になるのは文化文明の進歩の成果でり、否定するところではありませんが、
それでも「衣食住」と並べてまで言われる生活の根幹を、当事者である各人がその手から手放す事には賛同しかねます。

ファッションデザイナーは、デザインだけでなく、パターンひき、縫製などの服作りの基礎的力を備えているからこそ、
パターンナーや縫製業者と意見を交換し、渡り合って「良い服」が作れるわけです。
そしてご存じの通り、農業を含め、さまざまな形で食に対する意識も高まり、大小の差はあれど農業を始める人も増えて来て、
社会全体で食の安全性への意識や健康意識は日々増しています。

デスクワークチームも大工を始め多様な職能/職歴を持っています


翻ってみて「住」に関してはどうでしょう?
人間として、生活をする当事者として、家を作れる、直せる力、理解、判断、対応できる力を最低限備えることは、
「一人前の大人」として備えるべき能力だろうと私たちは考えます。
そして私たちはそういう能力を持つ人、つまり「大工仕事ができる人」を「かっこいい大人」と思う文化を作りたいと考えています。


できることが増えると楽しいですよね


西村組と合同会社廃屋は
「副業大工」を増やして来ていた

「半農半X」ならぬ「半大工半X」

「好きな事だけでは食べていけない」人も、「半農半X」であれば生活が成立する可能性がある時代になりました。

一方で、住です。
「半大工半X」

これまでも西村組は過去に多くの副業大工を育ててきました。
大工兼編集者、大工兼服屋、大工兼無職、大工兼農家…
彼らは、各々の好きな事にプラスし、副業大工という二足目の草鞋を履いて生きています。

「大工“も”できる人」増えています。

そんな彼らを今後ますます増やし大工としての成長を促すことで、
社会に大きな変革をもたらせる可能性があると私たちは考えています。

現代版副業大工への成長

親方や棟梁を職責として担えるようにするだけでなく

現在まで、西村組で育成して来ていた副業大工のイメージは
多能工でありつつも、旧来の「大工」として独り立ち出来るものではありませんでした。

そこには何が足りなかったのか?
現代版の副業大工に必要になるものは、基礎的な施工技術の習得と差配能力の獲得はもちろんのこと、
圧倒的な技術の習得にのみ向かうのではなく、
以下のような能力の獲得が望ましいと考えています。


つまり、これからの副業大工は、仕事が来るのを待っているだけでなく、
積極的に多様な社会と関わって行く姿勢と視野と能力の獲得が必要だろうと。

これらを実践型のWS形式で効率的に受講者に伝え、
半人前大工として独り立ちさせ、棟梁/親方として稼働できるところまで育てる仕組みを今回のプロジェクトで作ろうとしています。


一人親方や大工仕事以外にも布仕事やコミュニティ形成を得意とする人がいたり

半人前大工を増やす、育てる、憧れられる

今事業で目指す3つの成長

その1「半人前大工仕事ができる人を増やす」
半人前大工仕事の基礎能力を持つ人の総数を増やす。

その2「半人前大工仕事ができる人を育てる」
半人前大工仕事ができる人の能力をさらに伸ばす。

その3「半人前大工仕事ができる人に憧れを生む」
半人前大工仕事ができる人が憧れられる文化を作り、自走する成長サイクルをうむ。


男女問わず20代から40代が中心ですが、中にはお孫さんが居る大工さんや職人歴の長い人も


最後にもう一度、代表である西村のコメントを

半人前って馬鹿にするけど、半人前でもいいじゃないと特にDIYに関しては思うこともある。
ちょうどいい半人前さが今の世の中には必要じゃないかな。完璧じゃないちょうどいい改装したい。

今企画で皆様とお会いできる事を楽しみにしております。

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