春になるといても立ってもいられなくなる
大人になるにつれてこの感情が確かなものになってくる。
今年の冬は長かったな。
高校生くらいまでは、巡ってくる季節をただやり過ごしているだけだった様に思う。
冬が近づくとなんとなく憂鬱になって、灯油巡回販売車の音楽でなんとなく物悲しくなって。
そうこうしているうちに年が明けるんだけど、やり残したことがたくさんあるような気がしてやるせない気持ちになる。いつからか家族とまともに会話しなくなったわたしに取って、長期休暇は朝寝坊できるくらいしかメリットがなかった。
暖かくなってくると、心なし気分が高揚する感じはあった。アリやダンゴムシを道端で見かけたり、小さい花が咲いているのを見て久しぶりだねと心の中で声をかける。
コートやマフラーがいらなくなって体が軽くなる。夜は涼しくなる。
そういうふうに、なんとなく肌で感じていた感覚が、大人になるにつれ具体的になった。
冬は精神的に不安定になりやすく、春から夏にかけて回復していく性質なのだと気づいたのは割と最近だ。
思えば学生の頃は4月に必ず環境の変化があった。入学、進級。そして最後には新卒入社。
来月は初めて環境の変化無く迎える4月なのだ。
しかし体はそわそわしている。
居ても立っても居られないのだ。
まぁ、そう思う理由はもう一つあるが。
最近考えていることがある。短い人生を如何に充実させるかという問題。
そして気づいたのが、自分の人生を充実させられるのは自分しかいないという事実。
そうであるならば、やりたいことを若いうちに全部やっておこう。幸いなことにまだ20代で、独身で、健康体なのだから。
ボランティアをやってみたいと、3年ほど前から思っていて、社会人になってようやく時間にも心にも余裕が出てきたので、それに挑戦しようと思う。ひとまず市のボランティア研修に応募してみた。
やりたいことは他にもたくさんある。
忙しい春になりそうだ。
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