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決済者に「また今度」はない!?

26歳で転職して飛び込み営業を始めたわたし。

いろんな壁は次々とあらわれるものの、なんとか少しずつ前に進んでいた。

いつ行ってもまあ座りなよ、とお茶を出してくれる訪問先があった。対応してくださる方はわたしの父くらいの年齢で、なんだかいつもちょっと疲れていた。

「あなたいつも来てくれるのに申し訳ないけど、うちはそういうのは導入しないと思うよ」

確かに、私たちの競合となるサービスも導入していなかった。でも、担当エリア外の大きな街(例えば銀座)でも同じ看板を見たことがある。結構大きな規模の企業ではありそうだ。

社長に遭遇

ある時、いつもと同じタイミングで飛び込み訪問をしたら、いつになく慌てた様子で「今日はダメダメ、申し訳ないけどまた明日!」と追い返されそうに。

「なんでダメなんですか?」と聞いてみた。

わかりました!とあっさり帰らなかったのは、一度もアポの約束をいただけたことはないけれど、わりと頻繁に顔を出していて、ある程度関係性ができていたから。

「今日はさ、社長来てるから!」
「じゃあご挨拶だけさせてください!」
「え?挨拶?…まぁ挨拶だけならいいよ、早くね早く!」

そんなわけで名刺交換。

忙しい相手を、挨拶だけで逃していいはずがない

「あなた誰?」
先輩にもこの質問されたのを思い出した)

何のために毎日ここに来てたかと言えば、私たちのサービスがここの経営課題を解決するのに役立ててもらえそうだと思っていたから。そして、目の前には社長。

私たちが何を実現したいと思っているか、マーケットの動向、日々の店長との会話から感じていた課題仮説をお伝えする。

競合サービスを含め、何も手をつけていないこと
今後どうしていきたいか、などを教えていただけた。
その間10分。店長は社長の横に直立不動だった。

「本社にご担当の方いらっしゃいましたら、直接お話しさせて頂きたいのですが」
「うーん、担当者ってのはいないなぁ。まぁ、また機会あればね」で、時間終了。

翌日、本社に電話してみた

社長にいただいた名刺を見て、翌日本社に電話をしてみた。(今なら、直電はしないかもしれないが)

なんと、電話に出たのは社長ご本人だった。
昨日のお礼と、ぶしつけな電話のお詫びを入れる。
「昨日のお話ですが、どなたかとお話しさせて頂けますか?」
「そうね、昨日営業部長にあなたたちのサービスについて聞いたら知ってるって言うからあとで電話させるわ」

本当に折り返しかかってきた

営業部長からのお電話があり、頂いたアポイントの場で4件のお申し込みをいただくことになった。初めてにして大型取引。サービス利用の効果を感じていただき、私がそのエリアから異動した後も、ずっと利用を継続してくださった。

あの日社長に「挨拶」していなかったら、ご発注もなかったし、利益改善にも寄与できていなかった。

忙しい決済者に「また今度」のチャンスはもらえない。いつでも必要なことを話せる用意と、相手との対話に応じていける卒意を、常に。


皆さんからのサポートは、子どもたちと新しい体験をしたり、新たな学びのために使わせていただきます。