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オンライン時代のビジネスコミュニケーションについて考えた①

営業の新人研修でコミュニケーションについて学ぶ時間を作った。「コミュニケーション」とは、意思や思考をお互いに伝達しあう営みをさす。日常なんとなくやっていることだけど、実は社会人になる前に形式だてて教わることはあまりない。

「伝達」すなわち、伝えて→達すること。
相手に届かなければ、コミュニケーションは成立しない。

では相手に何が届くのかといえば、
ことば、という音だけではない。
表情、身振り手振り、匂い、息遣い、etc.といった、周辺視野からの情報も含まれる。
これらの「情報」はそれ自体には意味を持たない、つまりなんらかの記号でしかないのだけれど、私たちはそこへ意味を付与して、相互に届けようとしている。

記号から想起される意味や物語は人の数だけある

「子どもの頃よく遊んだ公園」を思い出してください

「子どもの頃」「よく」「遊ぶ」という前提条件から想起される意味や物語は人により異なる。
さらに、公園、という場所の有り様(広さや、遊具の有無や、諸々)ももちろん異なるはずだ。

実際に答えてもらうと、答えてくれた人の数だけ、異なる「公園」の風景が、そこにはあった。そして、その表現からイメージするものだって、全く同じであるとは言えないのである。

どんな情報にも、外から見える「記号」には、発する側の記憶や視点や経験など、様々な背景があるのだけど、発露した「記号」という情報にはその背景が伏せられていることがほとんどだ。

情報を発する側は、その人なりに、情報=記号に意味を付与しているし、受け手はその人なりの方法でそれを読み解こうとする。

”ただしく”意味が共有されるには

公園の思い出の話ではなく、これが商談の場であったら。わたしが大切だと思っていることが、必ずしも相手にとっても大切なわけではなく、逆も然り。まず、わたしと相手は“違う“と知覚すること、が最初に必要なこと。

そのうえで、次に必要なのは、相手の世界に入り、相手が見ている視点や気持ちなどを汲み取ること。
(NLPの技法ではポジションチェンジと呼ばれ、より健全な関係性を作るのに役立てることができるもの)

さらに、相手がどのように発信するタイプなのかを見極めて、対応を変容させ適応していくこと。

相手が子どもや外国人など、明らかに自分と“違う“と感じられる時には、無意識に対応変容させていることが多いはずだが、どうも「ビジネスの場」となると、違うから無理なのだ、と相手のせいにしてしまったりする。

わたしと相手は“違う“と知覚する

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公園の風景しかり。
もっとわかりやすく言えば、例え同じ【円柱】を同時に見ていたとしても、違うものと知覚することがある。
真上から見ればマル○
真横から見ればシカク⬜︎
角度を変えてみれば円柱。
形も異なれば、2Dか3Dかさえも異なって捉える可能性がある。

相手の世界に入る

詳しい手法は別の記事に譲るとして、
「自分の位置」であるサービス提供者(営業担当)の立場で物事を考え、「相手の位置」にあたるクライアントの立場で何を欲しがっているのかを考え、そしてそれを俯瞰する「第三者の位置」で世の中(顧客)から見た関係性、という3つの視点で状況を観察する。

自分は何をすべきか、クライアントは何を望んでいるのか、そして顧客にとってどうあることが望ましいのか(そのために私たちのサービスを活用できないか)などの視点を統合していく。それによってヒアリングや商談がスムーズに進行していく。

そして実は、新規営業という、壁の多い仕事において、この相手視点と第三者視点を持てることは、「自分がダメだからうまくいかない」と卑下したり心を痛めることを回避してくれる役割もあったりする。

相手の発信スタイルに適応する

相手に届くコミュニケーションを生み出すには、見極めるだけでなく、具体的な発信スキルも大事だ。

行動科学に基づいた「ソーシャルスタイル
脳や心理学に基づいた「NLP(神経言語プログラミング)

など、人とのコミュニケーション(意思や思考をお互いに伝達しあう営み)において発露している情報からその人のコミュニケーションタイプを分析し、それに適応して対応を変容させていくことができる。


まだこれらは、コミュニケーションの前段。

ビジネスシーンのオンライン化によって起き始めたことは、次の記事で書いていくことにする。


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