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ジュエリーブランドのスタッフが長く金属アレルギーと戦ってきた話

HALAKAのスタッフMです。
アクセサリーやジュエリーを楽しむ上で気になること、金属アレルギーについて。
いろんなブランドさんが金属アレルギーについて書かれているのを目にするのですが、アレルギー持ちの私の実感とかなり異なる部分もあります。

アクセサリーを付けたいけど金属アレルギーで困っている、そんな方に参考になればと個人的な体験を書いてみようと思います。

アレルギーの症状は個人によって様々です。ここでは「ニッケルアレルギー」の私が実際に受診して主に医師から得た情報について書いています。銅や他の金属のアレルギーの方には当てはまらないところがあると思います。あくまでも「私の場合」として参考にしてくださいね。

 

まずはアレルギー歴から自己紹介

アレルギーを疑いながらも気にせず生きてきた


私のアレルギーについてですが、医療機関の診断を受けています。
血液検査と、遅延型アレルギー検査のパッチテストを受けてお墨付きをもらってしまった「ニッケル」のアレルギーです。
金属アレルギーとされる方のほとんどは「ニッケル」が原因だそうですので近い体質の方が多いかもしれませんね。

金属アレルギーは「遅延型アレルギー」に分類され、金属が汗など反応して溶け出して体内に入ることが原因で起こるそうです。
なので時間が経ってから反応が出てきます。
特にピアスは体内に触れる形で装着するので、汗などの影響でアレルギーの原因になりやすいんですよね。

診断前から「もしかして金属アレルギーなのかな?」とはうっすら思って生きていました。
安価なブレスレットで手首にかゆみがでたり、ベルトのバックルが触れてお腹が赤くなってしまったり。それでも大きな問題にならなかったので、のらりくらりと、アクセサリーも普通に楽しんできました。

体内に触れる形でつけるピアス

原因不明の蕁麻疹、そして大好きなピアスがつけられない


事態が深刻になりはじめたのは歯列矯正を始めたころです。
その時は原因がわからなかったのですが、原因不明の蕁麻疹に苦しみました。
皮膚科に通っても効果なし。
この頃からピアスに被れるようになってしまいます。

サージカルステンレスなら大丈夫って本当?


「サージカルステンレスなら金属アレルギーでもOK」って本当?


金属アレルギーの方でも大丈夫!と大きく表示して販売しているサージカルステンレスのアクセサリーってたくさんありますよね。
”サージカル”=医療用、腐食しにくく溶け出しにくいのでアレルギーの原因になりにくいという理屈だそうです。

私はこれもだめでした。大丈夫って書いてあるのに痒みが出てしまうと絶望的な気持ちになります。
後に私は外科手術で体内に金属を入れることになるのですが、アレルギー検査結果を見た医師に「ステンレスではなくチタンにしましょう」と言われました。外科で使うようなサージカルステンレスでもアレルギーの原因となりうるニッケル自体は含まれており、ニッケル・アレルギー患者には使用できないという医師の判断だったのだと思います。

今思うと歯列矯正のときの蕁麻疹もサージカルステンレスが原因だったのかもしれません。

チタンはOKだけど…


というわけで、医師のOKも出たチタンは問題なく使えます。
でもチタンのピアスってかなり数が少なく、
デザインに関しても選択肢がとても少ないし、正直あまり可愛くない…

もちろんマニキュアのように塗ってピアスをコーティングするものも試しました。
効果抜群とまではいきませんが、短時間だけ、ステンレスや真鍮のものをどうしても付けたいときにはお世話になりました。

銀はやさしい?


こちらはシルバー950を使用

シルバーを試してみる


その後、不思議な流れでHALAKAを始め、アクセサリーを作って販売することになります。正直、シルバーアクセは被れやすいというイメージをそれまで持っていました。

苦労して作ったインドとタイと日本の職人さんと協力して作ったピアス、”PUAN”シリーズ。日本でパートナーが作っている指輪達。

私物のものを日々身につけ始めましたが…嘘のように反応が出ない!
長時間着けていても痒みがありません。
手触りも独特の柔らかさがあり、銀って優しいのかも…

後に調べてみると、銀は金とならんで金属アレルギーが出づらい金属とのこと。ただ、海外産の質の悪い925のシルバーにはニッケルが混ざっていることがあり、それがシルバー製品はアレルギーが出やすい!というイメージにつながっていたみたいです。

シルバーアクセにしろサージカルステンレスにしろ、結局ニッケルが問題だった訳ですね。

それでも”大丈夫”って言いたくない


ピアスシリーズ”Puan”

身に着ける金属を販売する責任として

HALAKAのピアスシリーズ"Puan"はニッケルフリーのシルバー925をベースにゴールドプレーティングを施しています。
また、指輪類は日本で精製されたニッケルフリーの950を使用しています。
普段から私物のものを身につけて愛用していますがトラブルの原因になったことはありません。

それでも「金属アレルギーの方でも問題なく付けられます」と大きな声では言えません。

やはりアレルギーには個人差があり、また、銅アレルギーの方は残念ながらどんなシルバー製品もゴールドの製品もNGだからです。(Gold K10、K18、silver 925、950等、基本的にすべてに銅が含まれています。含まれてないのは柔らかすぎてジュエリーに使うのは難しいK24とSilver 999のみ)

ですのでHALAKAでは「ニッケル由来の金属アレルギーの方にもお使いいただけます」とだけお伝えしています。
本当はどんな方でも着けられるアクセサリーが作れると良いのですが、残念ながら難しいようです。

最後に…

ちなみに個人的な経験としては、既に炎症状態のピアスホールはもう何を付けてもダメです。
傷口に接触物があるだけで刺激になってしまいますから、チタンだろうと純銀だろうとトラブルの元になってしまうようです。
一旦お休みして、炎症が落ち着いてからシルバーやゴールド、チタンなどをお試しくださいね。

そして自分も金属アレルギーかな?と心配されている方へ。
花粉症などのついでに血液検査は経験される方も多いかもしれませんが、遅延型アレルギー検査のパッチテストは本当におすすめです。
化粧品や金属など、アレルギーを知ることで生活しやすくなりました。
数日通院の必要なことや、検査中は入浴できないといった関係上、夏にはむずかしい検査なので、暑さが本格的になる前の受診がおすすめです。

できる範囲で自分をケアしながら、アクセサリーを楽しみましょう♪


ニッケル由来の金属アレルギーの方にもお使いいただけます

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