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「特定疾患管理料:三疾患除外」への対策・その4・傷病名マスターの研究(糖尿病についての考察)

この記事は厳密には「特定疾患管理料:三疾患除外」への対策ではなく、6月までに確認すべきことを書き出しておく忘備録となります。
三疾患のうちのひとつ「糖尿病」を例に挙げると、「糖尿病」が特定疾患管理料を算定することが可能な傷病名から除外されるという情報があるだけというのが気になります。「糖尿病」を厚労省傷病名マスターから入力した場合のみ特定疾患療養管理料が算定できないという意味なのか?「○○型糖尿病」もしくは「糖尿病性○○」を傷病名マスターから入力した場合には算定できるのか?などなど、然るべきところにこれらの疑義をお問い合わせしなければいけません。手際よく系統的にお問い合わせできるように準備しておきたいものです。お問い合わせするまでもなく、ひょっとすると、この4月には以下に案内する厚労省診療報酬情報提供サービスで先行して情報公開があるかもしれません。

厚労省診療報酬情報提供サービスから現行の傷病名マスターの【.txt】形式データである【b_240101.txt】をダウンロードして、拡張子を【.txt】形式から【.csv】形式に変換し、検索作業が容易となるように加工しました。【b_240101.txt】という文字列の中の240101は本年1月1日公開のデータということを示しています。

【診療報酬情報サービスのトップページ】なぜか紅葉したモミジ

診療報酬情報提供サービスは、医療保険請求に関わるレセプト電算処理システムに必要な情報を提供するホームページで、いつでもだれでも情報を採集することができます。URLがmhlw.go.jpですから厚労省のホームページの中にあります。

https://shinryohoshu.mhlw.go.jp/shinryohoshu/

自由に検索する準備が整いましたのでいろいろ検索してみましょう(♪)。ただし現行の傷病名マスター【b_240101.txt】から採集したデータです。

下の表の見方ですが、左の欄に検索ワード、右の欄に検索ワードに該当する傷病名の数を示しています。検索ワード[なし](つまり全傷病名)では 27,385 もの傷病名があるんです。27,385という数はとても手と指で勘定できる数ではありません。【.csv】形式に変換したのは正解でした。
[特定疾患]で検索すると 3,501 の傷病名があります。ここで問題なのが先述しましたように『三疾患(高血圧症、糖尿病、脂質異常症)が特定疾患から除外されたとしても、な~に、残り 3,498 も特定疾患はあるのさ』となるか?です。

二つ検索ワードを入れて[特定疾患+糖尿病][特定疾患+糖尿病性]それぞれで検索すると [特定疾患+糖尿病]:265、 [特定疾患+糖尿病性]:167 の傷病名があります。

この問題をもう少し詳細に記述しますと「○○型糖尿病」(例;1型糖尿病、2型糖尿病、…)もしくは「糖尿病性○○」(例;糖尿病性腎症、糖尿病性壊疽、…)という傷病名まで今回の三疾患除外措置に含まれるのか?それとも「糖尿病」というたった一つの傷病名だけが三疾患除外措置の対象となるのか?ということです。
前者の場合、影響は大きいでしょう。最大265個の特定疾患管理料を算定することが可能な傷病名が一気に消えて無くなってしまうことになるわけですから。一方、後者の場合、264個の特定疾患管理料を算定することが可能な傷病名が温存されることになります。こんなゆるい措置では診療報酬改定をする意味が改めて問い直されることにもなりかねません。したがって後者は無いのでしょう。
間をとって「○○型糖尿病」もしくは「糖尿病性○○」という傷病名のうち100個から200個くらいの傷病名が特定疾患から除外されることになるのではないかと予測します。

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