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Code for Japan の2019年とこれから

新年最初の1周間は、韓国に出張していました。アジア各国から若手の研究者や活動家を集め、10日間一緒に合宿しながらそれぞれが実現したい未来についてのアクションをともに学ぶ AYARF (The Asia Young Activist Researcher Fellowship)というプログラムで、様々なセクターと信頼関係を作る方法についてのワークショップを行ってきました。今回は、チャットボットづくりを通じてプロトタイプや共創の価値を分かってもらうために行った Code for CATの ライタソン が、とても評判が良かったですが、その話はまた別の機会に。

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AYARF には韓国だけでなくインドネシアや香港、ベトナムなど、アジア各国から20名のフェローが参加してたのですが、気候変動や教育、市民参画、都市設計など様々な課題にチャレンジしており、とても刺激になりました。先日参加した、台湾、韓国、香港、日本が参加するハッカソン Facing the Ocean でも感じましたが、アジア各国で課題にチャレンジしている人たちと話すと、様々なインスピレーションを貰えるとともに、日本がいかに民主主義の点で恵まれているかということを痛感します。そしてその権利についてちゃんと大事に考えていきたいなと改めて思いました。

さて、Code for Japan の2019年は様々なことがありましたので、簡単に振り返りつつ、2020年に成し遂げたいことについても共有させていただきたいと思います。

行政サポート/協働案件の需要が増加

従来行ってきたオープンデータ活用などの範囲を超えて、自治体や政府から様々な相談を受けることが増えてきました。政策立案におけるデータ利活用推進に関するパートナーシップを結んでいる裾野市では、データ利活用研修や、東大と裾野市のデジタル裾野研究会の支援を実施しており、総合的に自治体のデジタル化をサポート中です。トヨタからも、年始に新たなコネクティッドティについての構想も発表され、これからの裾野市に注目です。

会津若松市では、市民協働によるエビデンスに基づいた合意形成の支援として、公共施設マネジメントのタウンミーティングのファシリテーション&グラレコをサポートしました。来年の5月の総括のミーティングまで各地域を訪れてタウンミーティングを開催する予定です。

また、神戸市の窓口改善のプロジェクトマネジメントオフィス、福山市の業務プロセス改革といった案件でも協力しています。

中央省庁ともいろいろなプロジェクトを行わせていただきました。経済産業省/中小企業庁のアジャイルプロジェクトのほか、内閣府の「スーパーシティ/スマートシティの相互運用性の確保等に関する検討会」にて、ポリシーの素案づくりも行なっています。(こちらのレポートについては年度内には公開すると思います。)

Code for Japan としては、こういった行政サポートは、それが市民参画やより良いテクノロジー活用に繋がるのであれば、積極的にお引き受けしています。

引き合いに対して人材が不足しているので、人材面を強化する必要性を感じています。

データアカデミーは自走フェーズに

データ利活用ワークショップであるデータアカデミーは2017年度、2018年度は総務省案件として実施してきました。2019年度からは、自治体の予算で実施させていただいています。
これまでに、60以上の自治体に研修を実施しています。引き合いも多くきており、様々なバリエーションで提供していく予定です。データアカデミーを題材として書籍化もしていますので、ぜひご購入ください。

また、発展型として、サービスデザイン×データ利活用をレクチャーする、「自治体DXワークショップ」を経産省事業として東京5自治体、大阪5自治体を対象に開催中です。

1/16のGovTechカンファレンスの場で3自治体程度発表してもらう予定で、資料についても公開予定です。

今後、講師となれる人材を各地の Code for とも協力しながら育てていくことを考えています。

NPOや一般向けの事業についての研究開発が活発化

NPO に対し、事業計画レベルでの技術活用をアドバイスできる職業を生むためのマッチング/ワークショッププロジェクトである Social Technology Officer や、非技術者と技術者の架け橋を目指す、Tech for Non Tech といった新たな研究開発プロエジェクトが伸びを見せています。

Social Technology Officer プロジェクトは、2019年は2回のSTOスクールを開催し、2名の STO を創出しました。NPO からの要望は大変高く、社会課題の現場で活躍できる技術者の育成に対する必要性をひしひしと感じます。
1月30日にはDevLOVEの市谷さんと共同で、仮説検証ワークショップを実施する予定です。

シニアプログラミングネットワークの方も、規模が拡大しています。

また、Tech for Non Tech はもともとは Code for Australia が開発したワークショップですが、半年かけて日本での開催に向けて調整してきました。

そして、昨年岡山大学で一般講座として実施させていただき、大変好評でした。他の大学などからも開催についての引き合いが来ていますので、2020年からはファシリテーターの育成も含めて、拡大していきたいと思っています。

地域フィールドラボは新たなステージへ

企業人材が自治体内で共創による研修活動を行う地域フィールドラボは、今年度は8件の実施でした。最近は大企業の中でも、スタートアップへの派遣を始めいろいろな選択肢が増えてきていることもあり、少しづつ派遣実績は減ってきているのが現状です。

自治体からの派遣ニーズは引き続き高く、派遣されたフェローの方々の評価も高いため、今後はテーマをもう少しフォーカスした派遣形式など、新たなあり方を検討していきたいと考えています。

一般参加イベントも好評

年に一度のカンファレンスである Code for Japan Summit は今年は千葉で実施し、お陰様で1000名もの来場者を集めました。全部で50を超えるセッション数でしたが、アンケート満足度が85%と、大変高いスコアを記録しました。全国からの参加者が積極的に参加してくれていました。千葉の台風での被害がまだ残る中での開催であり、Civic Tech Zen Chiba 並びに、千葉市の方々は大変だったと思いますが、素晴らしいイベントとなり感謝しております。今年は例年以上に多様なプレイヤーが集まり、Code for Japan 関係者以外のセッションも多数開催され、シビックテックの裾野の広さを感じさせました。

個人的には、かならずどこかでは英語での発表が聞ける、インターナショナルトラックも実施でき、海外からの参加者も多数あったのが嬉しかったです。

また、2ヶ月に一回のペースで開催しているソーシャルハックデー及びシビックテックライブ!について、若手のメンバーが大きな活躍を見せたのが嬉しかったです。私が毎回参加しなくても十分回るようになっており、嬉しい限りです。次回は2月22日開催予定です。


2020年の強化ポイント

今年は、以下の3点を重点的に強化していきたいと考えています。

1. 組織的な対応力の強化

これまで書いたとおり、行政からの相談がかなり増えてきました。プロジェクト毎にチームを作って対応していますが、まだまだ人手が足りません。ガバナンスも含めて、アカウンタビリティーを向上させる形で組織を作り替える必要があると考えています。ただし、コミュニティとしての裾野の広さや、草の根ならではの自己組織性も大事にしたいと思っています。

2. 発信力の強化

プロジェクト数が多くなってくると、そもそも何のためにやっているのか?何を目指しているのか?といった部分についての意識が疎かになりがちです。インパクトレポートの発行や、プロジェクト毎の情報発信など、しっかりと行っていきたいと思います。

3. 各地のコミュニティとの連携

各地に、ブリゲイドと呼ばれるCode for ネットワークが広がっているのは日本の大きな特徴です。今は一緒にプロジェクトをやっているブリゲイドもいくつかありますが、全体的にはあまり活動内容がわからないコミュニティもあります。

講師派遣のサポートやミートアップ実施などは従来通り行いましたが、それ以上の積極的な手は打てなかった状況でした。新たに Code for SAGA のうしじまさんを理事に迎え、改めてネットワークのあり方から考えていきたいと思います。

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位置情報系シビックハッカー。「テクノロジーで、地域をより住みやすく」をモットーに、会社の枠を超えて様々なコミュニティで積極的に活動する。HackCamp代表/Georepublic Japan CEO/Code for Japan
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