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【ゲーム考察】INSIDE

1. はじめに

小さい頃からゲームはやるより、観る派だったので、ゲーム実況動画鑑賞が好きなのです。観るときに気にしていることは、
①実写っぽくない
②操作性やストーリーがシンプル
③プレイ時間が短い
例えば、『青鬼』とか『Braid』とか。
因みに最新の『バイオ系』とか、『FF』とかは途中で挫折しちゃうんですね。ストーリーは壮大だわ、映像は綺麗だわ、動きは緻密だわで観るの疲れてきちゃうんです。要は昭和のレトロっぽいのだとストレスなく観れるんです。
で、最近観たので凄かったのが

2. 『INSIDE』

っていうゲームで。発売が2016年なので、今更感は半端ないですが(汗)
プラットフォーム・ゲーム(マリオみたいにジャンプして障害物を飛び越えるゲームの意味)&パズル(というか謎解き)ゲームで。簡単に言うと、ただジャンプしても届かないから、その辺の道具使って飛び越えてね、みたいなギミックが物語を進めていくにつれ、どんどん難しくなっていきます。

3. ストーリー

ストーリーをざっくり説明します。で、ガンガンネタバレします。ご了承ください。

まず、主人公である少年が山の中にポツネンといる処からスタートします。
山の中を進んでいくと男達が少年を探していることが分かります。
見つかると、殺されます。ドーベルマンとかもいて本格的に追われています。
で、逃げて、養豚場とかトウモロコシ畑とかを抜けて、壮大な施設に入り込みます。
施設の中では、非人道的な研究がされていて、無気力で意思のない人間が量産されていて、それをヘッドギアを嵌めた人間が操れるようになっているんです。
それで、無気力人間を少年がヘッドギア嵌めて操作したり、
水中を泳いだり、
どっから飛んできているのか分からない殺人衝撃波を躱したりして、
最終的に少年は、施設で作られてた『十数人の人間をお団子にしたような謎の生命体(イメージはもののけ姫の祟り神の人間Ver)』(以下、人間団子とします)に取り込まれてしまって、人間団子(少年が動かしている)は施設を破壊して破壊して、最終的に施設を脱出するんですけど、脱出したら、すぐそこが崖で、ゴロゴロ転がって、水辺で止まって……エンドロール。

訳分からないですよね。でもこれ、隠しエンディングがあって、どうやったら観られるかというと、ゲーム内にミラーボールみたいなのが幾つかあって、それを全部壊せば、秘密の部屋に行けるんです。秘密の部屋には絶対引っこ抜いちゃいけないような回線があって、それを引っこ抜くと、電気が全部消えて、少年もぐったりして動けなくなってエンドロール。

訳分からないですよね。というか、説明が難しい……

良く分からんって方は、下のゲーム実況者さんの動画一通り見て頂ければ分かります(他力本願)

4.  考察

このゲーム、説明が少なくて、謎が多いんですね。なので、色んな方が考察されているんですよ。
考察内容は大まかに以下の通り。
1. この研究施設では、何をしようとしてるの?
2. 少年は何者?
1の考察:不老不死や遺伝子組み換え……
2の考察:少年も施設の人間で、操られていた……
その他の考察:そもそも少年は逃げてるんじゃなくて、施設に侵入して人間団子を破壊することを目的としていた……

色んな考察あるんですが、僕の考察は以下の通りです。

1の考察:この研究施設では、ゲームを作っている。

2の考察:少年は操られている。誰に?ゲームをプレイしているプレイヤーに。

つまり、この研究施設っぽいところは、実はゲーム制作会社で、少年が人間団子を奪取して、施設から脱出されることを、ここの研究員(会社員)は心待ちにしている。
少年(というか、ゲームに登場する全ての人物)はゲームが遂行されるために存在している。
このゲームは、メタ的なゲームです。

そう結論付けたのには、ゲームを進めていく内に生まれる、幾つかの小さな違和感が鍵となっています。
1:山の中で男に追いかけられたのに、施設の人間には見つかってもスル―される。
2:最初、主人公は無気力人間を、コード付きのヘッドギアをして操作していたのに、コードがなくても、最終的には、何もつけなくても、操作できるようになる。
3:水中でモンスターに襲われたら、何故か急に水中でも呼吸ができるようになる。
4:人間団子に付いていた管を外そうとしている主人公を、研究員は平然と眺めている。
5:人間団子と一体化した少年が施設を破壊しても、研究員は逃げない、逃げずに潰されて死ぬ。
6:研究員が人間団子が脱出するのを手助けする。
7:極め付けはコレ。これはとある考察サイトに書かれていたのですが、人間団子が施設を破壊しているときに、オフィスの奥に、最後の人間団子が転がる崖のジオラマが置いてあるのが確認できるそうです。

これらの違和感を抱きながら、隠しエンディングを観ると、あっ、少年も操作されてるの!誰に?……プレイヤーじゃん。なるほど、少年が無気力人間を操作しているように、少年もプレイヤーに操作されているよと。これまでの行動が暗示となっているのか。
秘密の部屋の回線を引っこ抜く行為は、主人公がリセットボタンを押したみたいなもんか。

メタ的に考えると研究員の理解不能な行動も頷ける。
3の水中のモンスターのところも、普通だったら、息が出来るようになる原因を説明したいし、伏線を張っておきたいところ……それをしないのは、ゲーム上のご都合主義!ご都合主義を逆手に取った表現!!

いやぁ、良くできている!!

この『INSIDE』というゲーム、ゲーム制作者のINSIDE(内側)を映した稀有なゲームと言えるでしょう……

(あくまでも、個人の考察なので、その辺、ご了承ください)

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