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【ワンダーエッグ・プライオリティ】ワケが分からないよ

ビジュアルが凄い良かったので視聴したものの、見た目に反して扱う題材が現実世界のダークな部分だったので好みが分かれる作品だった。人間関係のドロドロを抵抗なく見ていられる人になら楽しめるかもしれない……そういう印象を受けた。

自分のアニメ作品視聴を継続する基準は「わくわくするかどうか?」なので、指向性の違いからして相性は最悪だった。このNOTEはワンダーエッグ・プライオリティの感想や批判ではなく、そういう捉え方をする人がどう見ているかと言った方がいいかもしれない。好意的に受け取っている方にとってはただの難癖にしか映らないので注意して頂きたい。

ワケが分からないよ

模擬的な人間関係のエグいドロドロが胸糞悪く、ただただ不愉快だった。そういうシーンがくるたび思考が停止した。主人公サイドの掛け合い、救うべき相手、何もしないのに終始エラそうにしているめがねマネキンもどき、敵のセリフや振舞いがそれを腹いっぱいに提供してくれて、毎エピソード終わる頃には虚無感で満ち満ちていた。

そのためだろうか、今どういう状況なのか理解が追いつかないままストーリーはどんどんと進んでいった。2話で1話の補足説明的なものがあるのかと思ったら何もなかった。1話と同様の流れだったので「これは視る側がついていこうとする意思とそれなりの理解力がなければ足切りを食らうだろう」と感じた。前半を折り返すまでもなく、思った通りであった。

「どうしてワンダーエッグを守らないといけないのか?」に対する理由付けやエッグがガチャ形式になっている謎、主人公らの目的など序盤からワケが分からない地獄だった。ストレスのピークは4話で迎えた。憎めない信念のある敵を願っていたのに、出てきたのは軒並み罵詈雑言を吐くクソの塊だった。こんなのを倒してもカタルシスも爽快感もあろうはずがない。

そして、エッグ、孵化(incubation)、アンチ対策アイテム、ミテミヌフリなど某魔法少女作品を彷彿とさせるアイデアが盛り込まれていてそれに集中を阻害された。そう勝手に感じてしまう自分が悪いのは分かってはいるが、ま〇かマギカを思い起こさせない描写だと大変ありがたかった。知っていることが邪魔をするのは辛い。

さて、この作品では一つサプライズがあった。前半を総括する8話、上から目線のしつこいナレーションが延々と続く補足説明回があったのである。おかげで、ようやくわちゃわちゃしていた序盤の内容がぼんやりとではあるが分かってきたのだ。しかし、こんな形での理解は全く本意ではない。序盤を見ていたその時に知りたかった。思わず「今じゃないねん」と嘆いていた。

1話分の尺が余っているなら、初見の人がこの世界観に入りこんでいけるように序盤の描写に回した方がよかったのではないだろうか?しかし、素人の下手な考え休むに似たりだ。これはバカな自分のためにわざわざ用意して頂いたサプライズであり、本来なら正座して拝聴すべきものだ。黙って聴いた。

相性が悪いとはいえこの作品を純粋に楽しめない自分にすっかり失望した。この作品が伝えたかったことは何なのか、汲み取ることができなかったのは非常に残念だが、ただ光と影を描き分ける作画が神がかっていたことは確かである。6月に実質的な最終話(?)があるらしいので、本来ならまだ何も言うべきではないのだけれど、初見で受けた印象はこのような感じだ。最終話を見終わってから改めてレビューすることにしよう。

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