公邸料理人の家庭チャーハン考

こんにちは

在セルビア公邸料理人の盛戸と申します。
ネット上ではHALと名乗っておりますが、特に理由はありません。

肩書以外の情報は最低限で結構ですのでお好きにお呼びください。

なお、この活動は皆様に少しでも公邸料理人に興味を持ってもらう為の、言わば草の根活動のような物で雑記であり、メモです。

また、料理を知らない人に料理を説く様なものではございませんこともお断りいたします。

それでもいい。そういった方にお付き合い頂けたら幸いです。

さて、今回のお題はチャーハンです

言わずと知れた人気中華。料理男子の嗜み。
いわば登竜門ともいえます。
しかしながらこのチャーハン、愛好家が多い故に「コツ」とやらが無数に存在します。

そのため、結局どれを信じたらいいのか分からなくなる諸兄は多いのではないでしょうか?

かしこまりました。お教えしましょう。
理由その他、諸々添えて。

ただし、
ご家庭でも美味しい本格チャーハンが食べたい。
そう言った希望に応える物ではない事を断っておきます。

なぜなら、プロのチャーハンは米の炊き方から違う。
と、そんなレベルから語り出したところで

じゃあ米の品種は?
具材は?

とキリがありません。

分相応に家庭で、その条件で最高のものをお届けする為のコツを伝授するのが今回の趣旨となります。

前置きが長くなりましたが本題です。

チャーハンにはいくつか鉄則が御座いますが、その前に最も大切なことを一つだけお伝え致します。

それは『家庭と厨房は違う』ということです。

何を分かりきったことをと思われることでしょう、しかしながらこれを理解出来ていないからこそ美味しいチャーハンのコツが乱立する羽目になっているのです。

火力が違う、道具が違う、そして何より『技術が違う』

この前提を特に刻み込んでください。足らずを知ってこそ浮かぶ瀬も有るのです。

それではいくつか鉄則を抜粋致します

・鉄鍋は使うな、テフロンを使え

・ご飯は安物で温かいものを使え。

・卵やマヨネーズは混ぜるな

・強火でガコンガコンしてはいけない

・卵、米、具は後入れで混ぜるだけ、ネギは最後の最後

以上

それでは解説を致します。

・鉄鍋を使うなテフロンを使え

理由は簡単です。

焦げ付きやすいから。あと、家庭では火力も足りません。

もちろんコツはありますが、美味しいチャーハンを作るなら諦めて文明を活用しましょう。

・ご飯は安物で温かいものを使え。

日本で買えるいいお米は大抵、水分量が多くモチモチとしているので基本的にチャーハン向きではありません。ドンキで買える廉価版あたりが恐らくチャーハンには最適ではないでしょうか?

とはいえチャーハンは本来、残り物で作るものそこまで考えなくてもいいです。

大事なのは、温かい状態で使うことです。

冷めたご飯は硬い。無理やり使うとダマになったり、潰れて餅のようにベタベタになります。また、フライパンの温度を極端に下げますので、焦げ付きの原因になったり、温度差が生じるため火の通りがバラバラの食感の悪い出来になってしまいます。

特に鉄鍋の場合、それがより顕著に現れます。

そしてこの、『フライパンの温度を下げる行為』がチャーハンの品質を落とす最も大きな原因です。だから、温かくなのです。

・卵やマヨネーズは混ぜるな

これも上記の通り『フライパンの温度を下げる行為』に直結するからです

余計な手間をかけず、一個の工程を丁寧にしっかり行ってください。美味しいに近道はありません。

ご飯粒一つ一つがコーディングされ、パラパラ。その正体は全体が卵のボソボソを纏った『口の水分を奪う、メリハリのないTKG』です

『お米一粒一粒が上質なオムライス』な奴はプロにお任せください

・強火でガコンガコンしてはいけない

問題外です。フライパンが痛む上、意味がありません。

テフロンで中火。焼き付けるように、たまにひっくり返す。なるべく火からは離さない。

『温度下げるな』が鉄則なのに火から離してどうする!です。じゃあ強火がいいのでは?と言いたくなる気持ちはわかりますが、実は火が逃げてるだけであんまり効果ありません。強火は大鍋でお湯を沸かすためのものであることを覚えておいて下さい。

また、道具は金属お玉ではなく、木ベラがオススメです。テフロンにダメージを与えないためです。

・卵、米、具は後入れで混ぜるだけ、ネギは最後の最後

最後に身も蓋もない事を言います。

『チャーハンとはフライパンで作る混ぜご飯』である。

気持ち多めの油の炒り卵に温かいご飯を加え味付け、さっくり混ぜたあと

細かく切った具を加え更にさっくり混ぜ(温かければ尚良し)、ネギを散らす

これだけの料理です。

そこには大火力も、余計な一手間もましてガコンガコンもいりません。

一つ一つが丁寧に料理された食材の集合体

それが『家庭の美味しいチャーハン』です


以上

長い上、レシピはありません。

そんなものはインターネットでインフルエンサーが腐る程ばらまいておりますので、お好きなものをご参照ください。

私の役割は

<家庭で最適なチャーハンのコツをまとめる事>

<美味しいチャーハンの方程式を生み出す事>

です。

今回、方程式までは不要かと思い省略いたしましたが、反響があって、気が向いたらまとめる事と致します。

あれこれ考えまとめることが大好きです。これからも気が向くまま考察していきます。

もし応援くださるなら幸いで御座います。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?