(もちろん今年も)行ってみた!スナワチPOP-UPストア原宿
ほしいものがあるとします。
たとえば、革の長財布。
東京であればどこでも買えます。ないものはないと言われている大都会TOKIOです。そのあたりの百貨店なりファッションビルにいけば手に入るでしょう。
だけど、そういう日々を我慢して。乗り越えて。年に一度の購入機会に臨む。他では買わないで、あえてここで買う。
『スナワチPOP-UPストア原宿』は、わたしにとってそういう存在であります。
『スナワチ』といえば言わずと知れた元電通のコピーライターであり、コラムニストであり、カウボーイでもある前田将多さんが経営するレザーアイテムのセレクトショップ。大阪に店舗を構えていらっしゃいます。
ポイントは大阪に店舗を構えている、というところですね。
そうなると自然とふだんはネット経由での購入にならざるを得ません。マクルーハンが言うほどに東京と大阪は一つの小さな村にはなっていない。
だけど、革製品はやっぱり、手にとって色味や手触り、匂い、その物が醸し出す佇まいみたいなものを確かめて買いたい、と思うのです(と偉そうに言う割に限定品が出るとすぐにポチる)。
そんなわたしにとって、わざわざショータさんがおよそ500キロメートルの距離に負けるな好奇心で原宿までおいでくださるPOP‐UPストアは高校球児にとっての甲子園、おすもうさんを目指す体格のいい男子にとっての新弟子検査、楽譜は読めないけどギター一本で成りあがりたいAちゃんにとってのヤマハ・ライト・ミュージック・コンテストと等価値。
そりゃあ行くよ。呼ばれてなくても行くさ。
スナワチをさよならツアーにしてたまるもんか、ってな鼻息で10月14日の黄昏時におじゃましました原宿デザインフェスタギャラリー。
しかしあれですね、土曜日の夕方の原宿竹下通りを舐めていたね、俺は。もう人でぎっしり。初詣かと。右も左も外国人観光客。動きが全く取れないのよ。思わず梨泰院の事故を思い出したよ。商店街の会長は早めに手を打ったほうがいいね。
好評だった前回同様、出店するのはスナワチの他にブーツのGrant Stoneさん、デニムのNIMUDEさん、刺子/襤褸のTERASさん、うつわの草々さん、着物リメイクのkonoteさんです。
わたしはひそかにこれらのブランドを「スナワチマフィア」と呼んでいます。
前回はスナワチでショットガントート、草々ですてきな器を手にいれました。狙い通りの買い物にホクホクしていたんですが、今回も実は目的が決まっていまして…見事にゲットしたアイテムはのちほどご紹介します。
スナワチのアイテムはどれも必ず一つのUSPを持っています。USPとはユニーク・セリング・プロポジション。独自の強み、という意味なのですが、これが必ず息づいている。
ある商品は金具のギミックが、またある商品は革の加工が。そうかと思えば色味だったりフォルムだったり。同じものはふたつない、という革製品の性質上とうぜんかもしれないが、進化しすぎたマスプロダクト社会に暮らすわたしにとっては何にも代えがたい価値に思えて仕方ありません。
そしてこの日、スナワチと売り場面積と賑わいを二分していたのがうつわの『草々』。本当は各ショップ均等、あるいは商品点数で不平等のないように区画分けされているのかもしれませんが、わたしのみた感じでは面積の五分の二は草々さんの世界だった。そしてそれでいい、それがいいと思いました。
去年購入した器がとても良く、最初は焼き魚か煮魚一択の使い方をしていたのですが、実はなんでも似合うことが判明。最近ではピーマンの肉詰めを乗っけてみたんですが、これがいいんですよ。
いい器っていうのは料理を選ばないんですね。もちろん相性はあるでしょうけど。
うつわを眺めつつも足は自然とあるショップに向かっていました。ちょうどショータさんが接客に忙しくなりつつあった(そしてWi-Fiとの格闘がはじまった)ので、スナワチでの買い物の前にそちらを攻めることにしたわたし。
そうです、NIMUDEです。
NIMUDEのデニムはエックスフレンドでリアルでも仲良くしてもらっているイケポンこと池田翔太さんがめっちゃカッコよく履きこなしていて、かねてからいいなあと思っていました。
でも昨年はショットガントートという大物を購入したことから(そしてうつわも買った)さすがに手が出せなかったんですね。
そして今年に入ってからわたしの中で、謎のジーンズ熱が高まっていきます。
行きつけの上野『大統領』そばにあるアメリカンカジュアルショップ『HINOYA』を覗くと、それはそれはそそる「鬼デニム」なる商品が。
ああ、ジーンズ欲しい。鬼デニムがほしい。
だけど…俺には…
秋のスナワチPOP-UPストアが…
NIMDEが…
と、いうことでついに!!
待った甲斐がありました。
お名前をうかがうのを失念してしまったのですがNIMUDEの方はとても丁寧にわかりやすく、デニム素人のわたしにサイズやフォルム、色落ちなどについて教えてくださいます。
わたしはもとより買うつもりではありましたが言われるままにテントで試着し、鏡にうつったNIMUDEを履く自分を見て、なんともいえない高揚感に包まれたのでした。
「こここ、これ、くださいっ!」
いささか逆上気味だったかもしれません。
そうして、いくぶん冷静になって『Grant Stone』さんや『konote』さん、『TERAS』さんの商品をウキウキウオッチングすることになります。
そして、ショータさんが電波騒動から落ち着いた頃合いを見計らって購入したのがこちらの名刺ケースです。
Cobalt Leather Worksさんの名刺ケース。
ショータさんに「今日は名刺ケースをいただきたいのですが、どんなのがありますか?」とおすすめをうかがったところ、m.rippleさんのアイテムをはじめ4種類レコメンドしてくださいました。
その中でもこちらは革を重ねて立体的に仕立ててある逸品。そして隣に経年劣化した同商品が陳列してあったのですが、それがまたいい味わいで。
もちろん他のブランドの名刺入れも甲乙つけがたく、悩みに悩んだのですが、NIMUDEも青だし、ここはCobaltさんに3万クルゼーロどんっ!って感じで決めました。
ちなみにたまたま田中泰延さんが近くにいらっしゃって、経年劣化の良さについてCobaltさんから聞いたばかりのトークをまるごと再現してくださいました。
名刺入れの横に映っているのは1万円以上お買い上げの方にプレゼント!のコードクリップです。
青はいいぞ…(いいぞ…)
と、いうわけで今年もまた、一生付き合っていきたくなるブツを手にいれることができました。翌日からわたしのボトムはNIMUDE一択。もうこれ以外のトラウサーズはいりません。
こんどイケポンに洗い方のコツを聞かなくちゃ。
そして名刺ケース。さっそく取材時につかってみるとCobaltさんの言う通りアイスブレイクが盛り上がること盛り上がること。
ありがたやありがたや、です。
当日はコンディションがいまひとつだったのにPOP-UPストアに足を踏み入れた瞬間、めちゃくちゃ元気になれました。
買い物で元気になる。こんなことってあるんですね。たぶん、POP‐UPに出店するオウナーのみなさんの「気合い」と、そこに集まるお客さんたちの「想い」が入り混じって心地よい空間になっているんでしょう。
そんなふうに思いました。
ありがとう、『スナワチPOP‐UPストア原宿2023』。また来年もぜひ、よろしくお願いします。買いたい欲をグッと押さえて、お金を貯めてお待ちしてます。
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