ブンブンチャンプの審査員としての細かい感想

ブンブンチャンプの審査員として決勝を審査させていただきました。その感想を順番に記述させていただきます。

出来るだけネタバレは避けて、感想を書いてます。僕の中での審査基準などに興味がある方はこちらを参考にしてくださいませ。

あと、僕に審査する資格があるかどうか疑う方のためにネタも貼り付けておきます。ネタは他にもYouTubeに転がってますので、観て判断してもらってかまいません。


【ババア】スピードワゴンの月曜THE NIGHT出演時

天才脳外科医






1 陽氣屋

トップバッターは陽氣屋さんの漫才でした。
コンパの設定でしたので、プロ的には、ひと昔のありきたりなネタ設定だなという感じではあるのですが、逆に、最近減ってきてる設定でもあるような気がします。

それを計算してなのか、中身の面白さからなのか、新鮮に感じました。

基本的に面白くてうまい。

トップバッターなので70点をつけると、最初に決めていたんですけど、それよりも8点もオーバーして点数をつけたのは、相当レベルが高かったからです。

ボケも面白いけど、ツッコミがうまい。アマチュアとは思えない。

基本的にボケのほうが簡単なんです。ツッコミのほうが難しいんです。パフォーマンスの難易度として。

そこを加味しても、ツッコミがうまさがあったのが、驚きましたね。

欲を言えば、ボケや脚本に迫力があると、もっと点数をつけれた感じです。


78点

2 鉄腕打線


僕はこういうネタ、大好きなんですよ。設定で逃げ切り勝ちみたいなネタ。

僕自身もこういう、一つのボケをゴリ押すネタは好きで、よくやります。

点数的にそこまで伸びなかったのは、一つのボケをゴリ押すために必要なテクニックの引き出しの種類ですね。


あと、もっとふざけ倒して、直線距離のスピードを出していいかなと思いました。

76点

3 ペトラフォルト


ざっくりと、大きなジャンル分けをすると、おぎやはぎさんのような、スタイルになるのでしょうね。

じわじわとくる笑いで、ボケも面白かったです。
点数が伸びてないのは、会場のウケの問題ですね。

そして、会場をウケさせるためには、ちょっと投球パターンとして、バリエーションが必要なのかなとおもいます。

雰囲気とか嫌いじゃないです。


72点


4 スレッジハンマー安藤


ピンでフリップを使ったネタでした。安藤くんとは知り合いでありますが、一切手心は加えません。プロですから。

点数が高めなのは、会場ウケが結構あったからです。
なので、現場で、コメントとして求められた時は辛口になってしまうという変な状況になりました(笑)。

面白いのですが、一個のボケをゴリ押す系のネタは、スカし方のパターンにバリエーションが必要なんです。

78点

5 タイガーバームガーデン


個人的には、かなり笑いました。
くだらない、ホントに。
バカじゃないのか。
コメントでも言いましたが、ラーメン二郎のようなネタです。評価しにくいラーメンですよね。
評価しにくいから、決勝でこんなんやめてほしいです(笑)


81点


6 シャンシャン

バレない鼻くそのほじり方という、アホみたいな設定の漫才で、ボケもバカバカしくて、笑ってしまいました。

これ、キュッとしたら2分になるやろ、と思いましたね。そしてキュッとした2分なら、決勝ラウンドに上がってていいぐらいの面白さです。
無駄が少し多いと思ってしまいました。

79点


7 脱法ハープ

漫才してるときに途中で音がなってしまうという音響ハプニングがあったりと不運がありましたね。
ダークな雰囲気をダークポップに見せることができたらガラリと変わると思います。今後に期待できますね。


70点


8 十九人


男女コンビなんですが、女の子のほうが、狂ってて、もう、何というか。
おもろすぎました。
途中からメモとるのを放棄しました。
ヘタクソで頭おかしくしか見えないのですが、実は技術があるという一番タチの悪いコンビです。
審査員なので、ゲラゲラ笑ってはいけない立場なのですが、ゲラゲラ笑いました。


84点


9 トルクレンチガールズ


ツッコミの人のあの気持ち悪さを、ボケに起用せず、ツッコミとしたところがフルに活かされてます。
発想の面白さ、キャラクターの濃さ、技術の高さ、など、五角形にすれば、一番面積が広かった!!!

僕のような性格の悪いプロが減点できないような迫力と、テクニックがありました。

83点

10 Xe


ピンのフリップネタでした。

バカバカしさを頭の良さでまとめたようなネタでしたね。アホやけどめっちゃ面白い弟が考えた発想を賢い兄がまとめました、みたいな感覚。

フリップは一枚でも滑ると、減点イメージがついちゃうので、そこはすごく残念でした。
何度も言いますが、同じボケをゴリ押す系のネタでは、それを飽きさせない引き出しの多さがモノを言うんです。

78点


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


決勝ラウンド

①Xe

決勝ラウンドのトップバッターはXeさん。
今回は音響をうまく使ったコントでした。

文句の付けようもないです。
設定の良さ、そしてその設定がわかった瞬間の、設定そのものが一発目の大きなボケになっているあの会場のうなるような笑い声。
たまらんかったです。
観てる側としては、起承転結を求めてないぐらい、起承起承起承起承…ぐらいでいいと思ってるのに、小気味の良い“転”がやってくるんです。

これこそ、何度も書いてますが、一つのボケをゴリ押す時の見本みたいなネタですね。勉強させていただきました。


90点

②十九人


ゲラゲラ笑いました。これ、台本にしたらかなり、おもしろさが減ると思うんですよ。Xeさんと順番が逆だったら、こっちがフリになるかもしれなかったし、本当に生のライブの審査は難しいなと痛感しました。
とにかく一番笑いましたね。
技術的には、1本目より、荒さが出たなあとは思いましたけど。

③トルクレンチガールズ


1本目と同じようなことを言いますが、ワードセンスの高さ、いや、ワードチョイスかな。
キャラクターも立ってるし、おもろい!!
1本目と同じことをもう言うしかないので言います!
五角形の面積が一番でかかったんです。
だから、僕は迷いまくったあげく、トルクレンチガールズさんの名前を挙げさせてもらいました。
優勝おめでとう!

全体の感想としては、面白くてレベルが高すぎました。
矛盾したことを言うようですが、面白くてレベルが高すぎると、実はコメントはやや辛口になってしまうのです。

おもんなかったら加点法しかコメントできないですし、加点法しかないんですよ。
しかし、面白すぎて、レベルが高いってなると、普段やりたくもない、減点法を意識せざるを得ないんです。


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