『夜の床屋』

【ネタバラシしておりません】

『夜の床屋』

著者:沢村浩輔

出版社:東京創元社(創元推理文庫)

発行年:2014年6月27日

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 本書は、2011年に単行本として刊行された作品を文庫化したものです。

 裏表紙より。

 慣れない山道に迷い、無人駅での一泊を余儀なくされた大学生の佐倉と高瀬。だが深夜、高瀬は駅前の理髪店に明かりがともっていることに気がつく。好奇心に駆られた高瀬が、佐倉の制止も聞かず店の扉を開けると……。第4回ミステリーズ!新人賞受賞作の「夜の床屋」をはじめ、奇妙な事件に予想外の結末が待ち受ける全7編を収録。新鋭による不可思議でチャーミングな連作短編集。

 東京創元社といえば、連作短編集……! 本書もその数々の作品たちに仲間入りしました。1編目、2編目と読みながら、あるところから少しずつ違和感を覚え、最後の最後にやられました。謎と真相の飛距離が遠くて、こういう着地をするのかと驚いてしまいました。打った球が変な方向に曲がって、遠くへ消えてしまったような感覚です。5年か6年前に初めて読んだ時、確か私はガチガチの本格ミステリに凝っていた時期だったと思うので、今回の再読の方が本書の仕掛けを真正面から楽しめたと思います。驚きと感心が一緒にやってきました。

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