『怪盗クイーン 煉獄金貨と失われた城』

【後半からネタバラシあります】

『怪盗クイーン 煉獄金貨と失われた城』

著者:はやみねかおる

出版社:講談社(青い鳥文庫)

発行年:2021年7月15日

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 『都会のトム&ソーヤ』の実写映画化、『怪盗クイーンはサーカスがお好き』が2022年劇場OVAアニメ化決定……と、わくわくする話題が続いて嬉しいです。

 本書は、怪盗クイーンシリーズ最新作です。「煉獄金貨」と書いて「プルガトリオ」と読むそうです。今回も、シリアスとコミカルが縦横無尽に入り交じる展開なのでおもしろかったです。ラブコメ的要素も若干ありました。クイーンはずっとクイーンのままなので、何と言いますか安心して読めます。それにしても、ヤウズが巻を重ねるごとにどんどん家庭的になってきてる感じがします。大怪盗のお世話は大変です。

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 ここからは、【ネタバラシ】と言いますか【元ネタ探し】です。

・木曜日、ラロは診察する 等(もくじ)➡たぶん違いますが、ハリイ・ケメルマンのラビ・シリーズ『金曜日ラビは寝坊した』『木曜日ラビは外出した』等のオマージュっぽさがありそうだな~と。

・「早起き鳥は虫を捕まえる」システム(p.20)➡英語のことわざ「The early bird catches the worm.」から。「早起きは三文の得」と同じようです。RDは早起き鳥をニワトリだと解釈しました。ニワトリの鳴き声(とてつもない大音量)で毎朝起こされるジョーカーが不憫です。

・クイーン、恐ろしい子……(p.46)➡『ガラスの仮面』に登場する月影千草の名セリフ「おそろしい子!」から。ジョーカーは白目になっているはず。

・サナダ(p.52)➡ あとがきで言及されていますが、マチトムシリーズに登場する真田家のことです。真田一族は、未来を予知できる不思議な力〈時見〉の能力が使えます。

・サナダのばあちゃんの名にかけて(p.56)➡『金田一少年の事件簿』金田一一の名セリフ「ジッチャンの名にかけて」から。高校生探偵だった金田一一が、まさか37歳になっても数々の事件に遭遇するとは……。

・濡れ手に泡(p.78)➡ことわざ「濡れ手で粟」の間違い。何の苦労もせずに大きな利益を得ることのたとえ。あわ違い。

・イルマ姫(p.88)➡『怪盗クイーンの優雅な休暇』に登場するグーコ王国の王女。

・イスパノ・スイザのT49(p.104)➡https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A4%E3%82%B9%E3%83%91%E3%83%8E%E3%83%BB%E3%82%B9%E3%82%A4%E3%82%B6

・alimentación(p.156)➡スペイン語。①給餌、②栄養、③採食

・月の法善寺横丁(p.159)➡昭和35年(1960)発売の曲のことです。歌:藤島桓夫、作詞:十二村哲、作曲:飯田 景応。〈庖丁一本/さらしに巻いて/旅へ出るのも/板場の修業〉という歌詞があります。クイーンもジョーカーに白い布が巻かれた包丁を渡しました。白い布は、さらしのことでしょう。

・夏休みの24(p.188)➡海外ドラマ『24 -TWENTY FOUR-』から。本家より全然緊張感がありません。

・密林(ジャングル)(p.227)➡Amazonから。アマゾンは、南アメリカのアマゾン川流域に大きく広がる世界最大面積の熱帯雨林のことです。世界最大のジャングル。

・テレレレッテレ~(p.262)➡ドラえもんが秘密道具を出すときの効果音。今は昔とは違う効果音です。

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