『医療幻想 ――「思い込み」が患者を殺す』

『医療幻想 ――「思い込み」が患者を殺す』

著者:久坂部羊

出版社:筑摩書房 (ちくま新書)

発行年:2013年2月10日

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 私の身近に医療従事者の方がいて、業務の話を一部聞く機会がありますが、責任を伴ったお仕事のオンパレードで、とうてい自分にはその重圧に耐えることができないな、という思いになります。そして、このコロナ禍で、最前線で働いている医療従事者の方々には、本当に尊敬しています。

 そんななか、家にあるまだ読んでいない本から、『医療幻想』という新書を選び取りました。7年前に発売されたもので、「ちくま新書1000点到達!」という帯がついていました。


 読んでみようと思った理由は、コロナ関連のネットニュースを何個か読んでいるうちに、以下の記事を目にしたからです。

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 緊急調査◎医師3668人に聞いた「新型コロナウイルス感染症の外来患者数への影響」 /53.4%が「患者減」、大打撃を受けた診療科は?

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 今年の3月の記事なので、ここ最近の状況は分かりませんが、この記事で一番印象に残ったのが、〈今まで、いかに不要不急の受診ばかりであったかがよく分かる〉というコメントでした。お恥ずかしいですが、この記事で「コンビニ受診」という用語も知りました。

 そんなこんなで、医療系に関することも知りたいな、と思って本書を読み出した次第です。本書を通して印象に残ったことを4つに絞って挙げます。

・「この薬が効く」という言葉は「治る」という意味ではないこと

・「人間ドッグ」は日本特有のものであること

・医師不足の原因・それに対しての解決策が一筋縄ではいかないこと

・医師の一部で「死ぬならがん」という意見があること

 あと、天下りに対する見解が、あまり聞いたことがない視点だったので、なるほどそういう側面も確かにあるな~と。

 テレビやネットなどに惑わされず、医療に対してフラットな目線で接していけるようになりたい、と読み終えて感じました。難しいことですが……

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