『探偵の流儀』
【ややネタバラシしている感じです(主題の謎については書いていません)】
『探偵の流儀』
著者:福田栄一
出版社:光文社(光文社文庫)
発行年:2017年2月20日
--------------------------------------------------------
以下、裏表紙のあらすじ(一部抜粋)。
調査中、階段から転落し重傷を負った探偵事務所所長の嶋岡。彼が得た信頼で成り立つ稼業ゆえ、残された所員の間宮と松代、飯田は、事務所存続の危機に直面することに。そんな折、嶋岡の見舞いに訪れた姪の美菜子は、叔父のためにある覚悟を決める。
--------------------------------------------------------
私立探偵小説を読むとき、私は「孤高の探偵」の方が好みですが、こういったチームを主軸にした探偵小説も良いなあとしみじみ思いました。それも、結構序盤の方で頼りになる所長が重傷を負います……。急な展開に、少なからずぎょっとしました。
所員たちは所長を中心にして動いていたので、取り残された状態で各々がどう動くか……彼らの思いや行動はどれも一理あるので、なかなか誰が正しいかなんて結論づけることが難しいと思いました。(結論づけること自体、おこがましいか……。)ただ、彼らは彼らなりにベストを尽くそうと奮闘しています。
また、所長の姪である女性もいま勤めている職場から、探偵業界という知らない世界に飛び込んでいくことになります。その決断たるや。
四人の様子を見て(読んで)、つい自分の勤務態度について振り返ってしまいました。うーん、タイトルにも「流儀」と銘打ってますし、いわゆる仕事観について考えさせられてしまう……。仕事を忘れようとして読んでいたのに!
まあ、それはそれとして、本書の主軸である「謎」に対する真相が徐々に明るみになる展開には、読むスピードが思わず速くなりました。あと、終盤のみんなの活躍を見て、なんだかんだ言って最高のメンバーだなあと思いました。
本書はシリーズものらしいので、続編も近いうちに読みます。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?