『生きるのが面倒くさい人 回避性パーソナリティ障害』

『生きるのが面倒くさい人 回避性パーソナリティ障害』

著者:岡田尊司

出版社:朝日新聞出版(朝日新書)

発行年:2016年6月30日

--------------------------------------------------------

 内容紹介より。

 「恥をかくのが怖くてチャレンジできない」「人に嫌われていないか、いつも気になる」……これらは回避性パーソナリティ障害の特徴である。自尊心が傷つくことへの強烈な不安・心配ゆえに臆病で動けない人が、能動的な日々を過ごすためのヒントとは。

 本書の感想の前に。先週のことですが、積ん読タワーを眺めていると、岡田尊司さんの新書が4冊あることが分かりました。『愛着障害 子ども時代を引きずる人々』(光文社新書/2011年)、『回避性愛着障害 絆が希薄な人たち』(光文社新書/2013年)、『生きるのが面倒くさい人 回避性パーソナリティ障害』(朝日新書/2016年)、『対人距離がわからない どうしてあの人はうまくいくのか?』(ちくま新書/2018年)……おそらく何かしらの興味や悩みなどによって、当時の私はそれらを買ったはずなのですが、読まずに現在まできてしまいました。さすがにもったいないので、かつての自分と現在の自分を比べ照らし合わせつつ、4冊を読破しようと決めました。

 まずは、『生きるのが面倒くさい人』というキャッチ―なタイトルの新書を読むことにしました。いまの私はそこまで生きることに対して、面倒くささを感じていないので、かつての自分を思い出しながら読み進めました。で、読んでいるなかで徐々に気づいてしまったことがあります。「たぶん、これは昔の自分にも当てはまらないな……」「その兆候があったかもだけど、小さい頃に乗り越えたのかもな……」ということでした。なにしろ小さい頃から現在に至るまで何度も失敗を重ねている人生を送っていますし、なけなしの自信なんて何回も木っ端みじんになっているからです。それなりに何回も傷ついているので、心が強くなったというか鈍感になったというか……。ということなので、回避性パーソナリティそのものについて知識を得る方向に変更しました。無気力から抜け出すヒントが何個も書いているので、とても興味深かったです。

 また、オキシトシンというホルモンの存在を今回初めて知りました。〈オキシトシンは、まさに愛着を司るホルモンで、脳内でも、重要な役割をしている。このホルモンが働くことで、親密な感情が生まれたり、社会性が高まったり、ストレスや不安、過敏さが軽減され、寛容で穏やかな気持ちになるといった作用がある。絆の維持や子育てといったことに不可欠な役割を果たしている〉(p.169)そうです。おもしろいのが、オキシトシン受容体というものがないと、いくらオキシトシンがあっても効果が発揮できないとのことです。オキシトシンの点鼻薬というものが売られているのも知りませんでした。点鼻しても一時的な効果しかないそうです。色々あるんだなと思いました。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?