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『虚の聖域 梓凪子の調査報告書』

【 ネタバラシはありません 】

『虚の聖域 梓凪子の調査報告書』

著者:松嶋智佐
出版社:講談社
発行年:2018年5月15日

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(内容紹介)
 元警察官にして探偵・梓凪子に舞い込んだ依頼は最悪のものだった。
 理由はふたつ。ひとつは、捜査先が探偵の天敵とも言える学校であること。
 もうひとつは、依頼人が、犬猿の仲である姉の未央子であること。
 大喧嘩の末、凪子は未央子の息子・輝也の死を捜査することになる。警察は自殺と判断したにもかかわらず、凶器をもった男たちに襲撃された凪子は、事件に裏があることを確信するが――。
 責任を認めない教師、なにかを隠している姉、不可解な行動を繰り返す輝也の同級生――。
 すべての鍵は、人々がひた隠しに守っている心のなかの”聖域”だった。
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 第10回ばらのまち福山ミステリー文学新人賞受賞作。
 元警察官にして日本初の女性白バイ隊員でもあった著者による、私立探偵小説です。思わず一気読みでした。また、本書が年末年始の話だったので、奇しくも同じ時期に読むことができて何となくラッキーでした。
 依頼人が自分の姉で、なおかつ依頼内容が姉の息子の死の原因を探ってほしいという、主人公にとって二重にハードな内容で、どう展開していくのか序盤からハラハラしました。それと、ちょいちょい身内の諍いが入ってくるのがリアルでした。それもお互いが両者の痛いとこをつく口喧嘩……。どことなく思い当たることもあり、そこまでリアルに描かなくてもと思わず笑ってしまいました。

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