『新型格差社会』

『新型格差社会』

著者:山田昌弘

出版社:朝日新聞出版(朝日新書)

発行年:2021年4月30日

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 中流層が消滅し、富裕層と貧困層の差が広がり続ける日本社会。階級社会に陥ってしまう前に、私たちにできることは何か? 〈家族〉〈教育〉〈仕事〉〈地域〉〈消費〉。コロナ禍によって可視化された”新型”格差問題を、家族社会学の観点から五つに分けて緊急提言。

「格差社会」という言葉を聞いて、大学生の頃は何とも思っていませんでしたが、社会人になって何年も経つと、否が応でもそれを意識してしまい、漠然とした不安を覚えてしまいます。だから、本書を書店で見かけたとき、思わず手に取ってしまいました。一気読みでした。第1章〈家族格差~戦後型家族の限界〉・第2章〈教育格差~親の格差の再生産〉も熱心に読み込みましたが、私としてはまだ先のことなので、当面は第3章〈仕事格差~中流転落の加速化〉・第4章〈地域格差~地域再生の生命線〉・第5章〈消費格差~時代を反映する鏡〉の関連することで、色々と考えて動かないといけないなと思いました。私はリモートワーカーではありませんが、エッセンシャルワーカーに該当する仕事をしているので、コロナ禍の影響を今のところあまり受けていません。ただ、先行き不透明なこの時代です。だから、本書を読んで暗い気持ちになるだけではなく、この現代社会が抱えている問題や課題などにちゃんと向き合う意識をもつことが大事ではないかと考えました。相手のことを知らないと、やりようがないですから……。これは必読書です。また近いうちに読みます。

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