『しのびよる月』
【 ネタバラシはありません 】
『しのびよる月』
著者:逢坂剛
出版社:集英社(集英社文庫)
発行年:2001年1月25日
御茶ノ水署・生活安全課保安二係は斉木斉(さいきひとし)と梢田威(こずえだたけし)だけの小世帯だった。小学校の同級生が御茶ノ水署で再会する。がき大将だった梢田は斉木をいじめた過去があった。それがいまでは斉木警部補と梢田平刑事。復讐に燃える斉木は、ことごとく梢田の出世を妨害し、日常業務に文句をつける。口論しながら推理も続け、神田お茶の水界隈の難事件迷事件を解決していく。ユーモア・ポリス・ストーリー。
このシリーズは、お茶の水界隈が舞台です。そこの界隈が好きな私にとって、それだけで読みたいという原動力になりました。実存する飲食店もあれば、少し名前を変えている場所もあり、読んでいて楽しかったです。本書は、6編収録されています。斉木・梢田コンビが足を引っ張ったり足並みを揃えたりしてとある事件に首を突っ込む「裂けた罠」、被害者にボウガンの矢を放った犯人を追う「黒い矢」、電話ボックスで売春する女性を調べる「公衆電話の女」、消火器の詰め替え作業トラブルをめぐる「危ない消火器」、ストーカー被害の対応をする「しのびよる月」、二人が中華料理店で強盗に遭う「黄色い拳銃」。どれもおもしろかったです。個人的に好きな話は「黄色い拳銃」です。詳細は避けますが、またブロックのスカダーシリーズを読み返したくなりました。
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