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『謎好き乙女と明かされる真実』

【 ネタバラシはありません 】

『謎好き乙女と明かされる真実』

著者:瀬川コウ
出版社:新潮社(新潮文庫nex)
発行年:2016年10月1日


(内容紹介)
 入学式のあの日から、僕は彼女に振り回されてきた。恋愛よりも部活よりもミステリを愛する彼女に。それは今も同じだ。宛名のないラブレター。消えた誕生日プレゼント。姿の見えない歌姫。藤ヶ崎高校で起こる事件を、僕は彼女と解決していく。でも、このままで良いのか。僕が知りたい”答え”は何か。早伊原樹里。僕は彼女を、解き明かす。切なくほろ苦い青春ミステリ、堂々完結。


〈謎好き乙女〉シリーズ、本書にて完結します。『謎好き乙女と奪われた青春』『謎好き乙女と壊れた正義』『謎好き乙女と偽りの恋心』、そして本書『謎好き乙女と明かされる真実』……思ったより濃い道のりを歩いてきたような気がします。1作目を初めて読んだとき、本書のような終わり方を迎えるのかどうか、正直なところ予想できませんでした。著者の書きようによっては、様々な展開が作れそうだと思ったからです。それこそ超絶鬱展開も可能な設定でした。
 あまりよろしくない書き方をあえてすると、前3作を「大きなフリ」につかって本書を完成させた著者に気概? を感じました。また、今までは「僕」の視点で物語が進んでいましたが、今回は新たな視点も加わっています。満を持して、という感じがしました。
 ……ここからは卑屈な独り言です。(あんまり美男美女の描写が全面に押し出されてもなあ。ここだけは少し消化不良。)独り言終わり。
 なんだかんだ書きましたが、高校生たちの甘くも苦い青春を描いた学園ミステリとしては上質な方ではないかと思います。

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