『はいつくばって慈悲を乞え』

『はいつくばって慈悲を乞え』

著者:ロジャー・スミス

訳者:長野きよみ

出版社:早川書房(ハヤカワ文庫)

発行年:2011年3月15日

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 裏表紙のあらすじより。

 元モデルの美女ロクシ―は夫を射殺した。すべてを強盗の仕業に見せかけようとするが、真相に勘づいたギャングにゆすられる羽目に陥る。偶然そこに現れた傭兵ビリーは、遺産の一部とひきかえにロクシ―の護衛を買ってでる。しかし事件の周辺をかぎまわる野心的な刑事や、残虐な脱獄囚の思惑がからんだ末、地元のギャング団をまきこんだ壮絶な闘いがはじまる―—息をのむ圧倒的な疾走感。クライム・スリラーの傑作誕生!

 南アフリカ共和国ヨハネブルグで生まれた著者による、第二作目です。(デビュー作は『血のケープタウン』。)殺人やらドラッグやら、自分の知らない世界が存分に繰り広げられていて、本当にすさまじかったです。夫殺しの女性、傭兵の男性、子供連れの刑事、ギャング……と様々な視点で展開していきます。それによって各々の思惑が垣間見えるので、一体どうなっていくのか気になり、一気に読んでしまいました。それなりに分厚いです。また、題名が「はいつくばる」「慈悲を乞う」と普段目にしない言葉なので、その組み合わせに見事にやられました。

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