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『迫りくる自分』

【 ネタバラシはありません 】

『迫りくる自分』

著者:似鳥鶏
出版社:光文社
発行年:2014年2月20日

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(内容紹介)
顔も声も自分と瓜二つ。人間性は最低。
この出会いは、何をもたらすのか。
船橋から東京に戻る総武線快速。本田理司(ほんださとし)は、
併走していた各駅停車の車窓に、自分と同じ顔をした男を見つける。
血縁ではなく、服装も髪型も違うのに、まるで鏡を見ているようだった。
やがて、二人は偶然再会し、その夜を契機として、世にも不条理な
逃走劇が幕を開ける――。
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 おもしろかったです。一気読みでした。もし自分と同じような顔をした人がいたら……性格が良い人がいいなと本書を読んでそう感じました。それにしても、本書の主人公でもある本田さんは、一般人のはずなのに、うまい具合に警察やら何やらに逃走し続けています。冷静かつ大胆です。すごいサバイバー気質な方でした。私ならすぐ捕まりそうです。まあ、似鳥作品を何作も読んでいくと一般人なのに妙な分野について知識が豊富なキャラが出てきますので、そのあたりちょっと感覚が麻痺しています。また、本編に(記憶している限りでは)注釈が無かった分、あとがきで注釈を補給できたので、それまた良かったです。似鳥さんのあとがきファンとしては、今回あとがきについての秘話について書かれていますので一読の価値ありです。あと、似鳥さんがとあることからの「慣らし」についても言及されていて、私も深く共感しました。

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