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『都会のトム&ソーヤ⑪《DOUBLE》』(上・下)

『都会のトム&ソーヤ⑪《DOUBLE》』(上・下)

著者:はやみねかおる
出版社:講談社
発行年:2013年8月8日

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(内容紹介)
伝説のゲームクリエイター集団、栗井栄太の新作ゲーム
「DOUBLE」がベールをぬぐ!
ゲームに参加した創也と内人たちのまわりで、
つぎつぎと不思議なできごとが。
これはゲームか、現実なのか……?
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 マチトムシリーズ第11作目。帯に書いてある通り〈ボリュームもDOUBLEの、上下巻!〉です。内人と創也のクラスメイトも巻き込んでの、栗井栄太の新作ゲームでした。大きな謎、小さな謎……色々ありましたが、本書で一番面白かったのは、〈なぜ真田志穂は栗井栄太の新作ゲームに参加したのか?〉です。シリーズを積み重ねたからこその、この謎の解明が一番面白かったです。(逆に新規の方が本書を初めて読んでも「?」だろうなあとも考えました。)そして、大きな謎については、はやみねさんが何回も仕込んだことのある趣向でしたが、仕込み方が一捻り二捻りあって見事に騙されました。
 あと、最後の内人と創也のシーンは、30代の私にとって何だかジーンとくるものがありました。非日常的なシーンももちろん好きですが、こういう二人の等身大の日常的なシーンもいいなあと思ってしまいました。それと同時に今後のシリーズを期待させてくれる不穏な展開もあり、一筋縄ではいかないことを何回も思い出させてくれます。内人と創也と栗井栄太御一行が楽しくわちゃわちゃしていると、あの組織の非情さが薄まってくるんですよね……。良い意味で。次作も楽しみです。

【注意!】下の方にネタバレが書いてあります。



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【ここからネタバラシ】
 あれ、正体不明の伝説的なゲームクリエイターが顔出ししていいの……?!

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