『なぜなら雨が降ったから』

『なぜなら雨が降ったから』

著者:森川智喜

出版社:講談社

発行年:2014年9月16日

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 題名の通り、雨が降ったから謎が解けた……という、おもしろい趣向をこらした短編が5つ収録されています。

〇「雨女探偵」……雨女である揺木茶々子探偵と、大学生との出会い。そして、お花見。お花見の日に雨が降ったら、気分は最悪です。とにもかくにも、徹底的に「雨」を使い倒して、おもしろいミステリにしますよ、という気概を感じました。名刺代わりみたいな作品です。

〇「てるてる坊主」……雨といえば、てるてる坊主! そういえば最近それを見ていません。いるような場所に私がいないからかもしれません。昔は自分も遠足前や林間学校前に作っていました。懐かしいです。本編は、ある家の問題を揺木探偵が解決します。教訓めいたテイストでした。

〇「雨天決行」……揺木探偵が連続して起こった放火について調査します。

〇「雪女探偵」……体調が悪い探偵のために学生が出した雪女にまつまわる謎とは。そして探偵の代わりに、助手として一つの依頼を受けることに。雪女クイズは、あくまで「お遊び」と銘打っていますが、解釈の一つとして出た答えがなかなか面白かったです。

〇「狐の嫁入り」……〈雨が降っていたのに、被害者の周りだけ晴れていた〉という謎の提示が魅力的です。本書のなかでのマイベストは、このお話になります。探偵の推理の前に、自分で解くことができなくて久々に悔しかったです。

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