『ポンコツ探偵の名推理』

【ネタバラシしておりません】

『ポンコツ探偵の名推理』

著者:滝田務雄

出版社:幻冬舎

発行年:2015年11月10日

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 表紙と裏表紙の絵がかわいい。元刑事と元スリだと思うと、もっとかわいく見えてきます。北村人さんという方が装画を担当されていました。

 あー、何かどこかで見たことあるなあと思っていたら、星野源さんの本なども担当されていました。クレヨンで描くスタイルの方のようです。独特のタッチで、何だか惹きこまれました。

 本書の内容も、絵にマッチしていて面白かったです。〈金なし、職なし、妻子なし。借金と不運を背負って、今日も事件を解決!〉というフレーズを見たとき、哀しみと可笑しさが混じり合っているなあと思いました。

「ポンコツ探偵、吠える」➡元刑事と依頼主との因縁の内容だと、もっとシリアスな雰囲気になっても良いはずですが、どことなく抜けている雰囲気で、これぞ滝田節だなと微笑んでしまいました。なかなかかみ合わない会話を書くのがやはりお上手。

「ポンコツ探偵、食べる」➡迷コンビと犯人との対決はさながら古畑のよう。

「ポンコツ探偵、捜す」➡今回は宝探し的な依頼を受ける探偵二人。謎が解き明かされた瞬間、ちょっと笑ってしまいました。

「ポンコツ探偵、出かける」➡依頼された猫探しが解決し、依頼人が働いているペンションを訪れる探偵二人。しかし、出たのはアルバイトだけで、依頼人は急に姿を消した……。伏線の回収が気持ちよかったです。見事にやられました。

「ポンコツ探偵、語る」➡テイストが変わりました。元刑事が話していた【お菓子】が気になって、思わず検索してみました。あ、これ知ってる! むしろ好きなやつだ! と驚きました。あれが正式名称なんですね。知りませんでした。

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