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ライブトークと7年周期

3月のにじと白山のライブトークは、育児・保育についてのQ&Aでした。

参加者の皆さんからの幼児保育から学童期、思春期における「わかる〜!」な質問ひとつひとつに向き合う、濃密な一時間。

ーライブトークの質問たちー
①自由な保育について
②学童期の子どもとの関わり方
③オンラインゲームとの付き合い方
④思春期の子どもにできるサポートについて
⑤シュタイナー教育を学ぶにあたりオススメの機関について


どの質問も、深い問いです。

講師陣それぞれのお話や、参加者さん達のお話を聞きながら、自分のこれまでの育児や、これからの育児に思いを馳せました。
内容からヒントになりそうなキーワードをいくつかシェアします。


①自由な保育について
・子ども達を観る視点
・子どもによってニーズが違うので対応が違ってもよい
・現場の大人同士が同じページにいられるように心掛ける

②学童期の子どもとの関わり方
・9歳の危機から考えると、子どもにとって大変な時期にいることを理解して安心できるようにケアしてあげる
・大人から伝えるよりも、子どもの話をよく聴いて共感することで、その子のニーズが満たされることが多い
・ネガティブな体験を取り除こうとするよりも、あたたかい環境を心がける

③オンラインゲーム(を通じた友達)との付き合い方

・信頼残高について話し合う
・ルールをつくるときは、本人と一緒に守れる約束をつくる(親が決めたルールにしない)
・大人は毅然とした態度を守ることで、本人が境界線を意識できる
・オンラインを消費する側にまわらず、クリエイトする側になれるように考える
・とにかく対話をもつ。これにつきる

④思春期の子どもにできるサポートについて
・心を離さないようにすること(質問者さんからは、それ以外に何ができるか?と聞かれました)以外にできることは、本当に少ない
・思春期を迎えるまでの準備に尽きる
・オープンに何でも話せる関係づくり
・誤ったことをした場合に、しっかりと押し返す大人の意志力が大切
・子どもが好きな分野に関するメンターと出会えるような計らいをする
・特に芸術活動におけるメンターの存在は強い
・ティーン世代にも、やはり『にじみ絵・ぬらし絵』はセラピーになる

シュタイナー教育を学ぶにあたりオススメの機関について(省略)

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ここ以下は個人的なシェアになりますが、長いです。
お時間のある方はどうぞ。

ライブトークのあと、これまで学んできた「点」が「線」になる瞬間が訪れました。これは、シュタイナー教育を学びはじめてから7年越しの収穫ともいえるものです。

自由を獲得していくために自分の内に大きな秩序を持っていることが、どれほど大切なことか!を理解した(気がする)のです。

リズムを大切にしましょう

シュタイナー教育の親教育で、いつも言われることです。
だけど、それが、一体何の役に立つというのでしょうか??(いやいや、大切なのは分かりますよ)

『生活リズムを整えることは大事ですよ』なんてことは、どんな子育て論でも当たり前に言われることですね。

ただ、じゃあそれで健康になるんでしょ?ではノンノンボーイ。
例えば何も知らずに初めて体験したら、ひっくり返るほど驚くような大雪も、いずれ春になると溶けてゆくことを、わたしたちは長年の経験から知っています。

繰り返される季節の中で、自然界のサイクルを体験することは、日々の見通しがつく安心感を持つことに繋がり、はては自分の中に大きな秩序を持つことに繋がっていきます。

反対に、日本の8月に大雪が降ったら、どんな大人も慌てふためき、不安になることでしょう。

リズムがめちゃくちゃな生活は、きっと子どもにとっては戦争が起こったくらいに不安をかき立てるのです。(だけど、それを言語化できる子どもはいないので、何かしらの破壊的な行動になって現れたりするのかな)

これは、家庭でのルールにおいても然り。

親が言うことが、昨日はダメだったのに、今日はOKだった、というのは子どもの内側にカオスをつくっているようなもの。

親子の信頼関係にも、時間の経過とともに、重要な意味を持ってきます。

これらのことは、知識を与えようと、いくら口で説明しても体得できるものではなく、幾多の本物の体験の蓄積があってこそです。

繰り返されるリズムある生活、揺るがない境界線から身についた力は、この混沌とした今の時代において、自分を自分として保っていられる秩序を持ち続ける力になる。

たとえ、どんなに社会や周りが変化して辛くても悲しくても、また立ち上がる力になる。

それは、どっしりとした根のようなもので、頑固さとは全く性質が違う力。
フレキシブルさを持った軸、融通の効くしなやかな一本の剣のような力強さ。

秩序を自分の内に持つイコールどんな風が吹こうとも、その時々で臨機応変に自分らしく選択できる力を持つことに繋がる

それが、自由を獲得していくということ。


子どもが大人に成長してからの、長い長い人生において、その内なる力が、いかにパワフルにその人自身をサポートしてくれるのか!

しかも、その意志力は、二度と後戻りのできない第一七年期にしか育むことができないなんて!

幼児期の重要さに、改めて気づかされました。

リズムのある生活を大切にしましょうね
整理整頓しましょうね


これまで何度も何度も聞いていたし、文字で読んでいたこと。

わたしにとって、シュタイナー教育の学びの始まりの師である石本さゆり先生が、いつも口を酸っぱくして言ってくれていたことの数々を、今回ほど、腑に落ちて納得したことはありませんでした。

それらのことは、これまでも「大切だな」「自分の子育てに浸透させたいな」と思ってはいました。

きっと、知っていたはずなのに、知らなかった、本質的なこと。

自由になるって、まるで自然界そのものになることみたいだなぁ〜

今回のライブトークを通して、自由と秩序の関係が結びつき、これまでの体験や見聞が知へとメタモルフォーゼした瞬間でした。

そして、7年周期で人の成長を見ることについても「へぇ〜そうなんだなぁ〜」とは思っていましたが、、、

今回の自由と秩序を理解するだけでも七年かかった自分の体験をもって「ああ、なるほど、七年か、、」と納得させられたような。笑

自我の成長、自己教育は、まだまだ先が長そうです。

不惑の40歳を迎える2022年3月の満月に。
事務局チーム 矢後千夏

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