2人声劇『元気でいてね(意味深)』
元気でいてね(意味深)
御堂秀朝
田上伊織
伊織「若様、朝でございますよ」
秀朝「ん…おはよう……その若様ってやめてよ」
伊織「えー、じゃあ御館様、殿、上様どれがいい?」
秀朝「どれも嫌だ!なんでそんな時代劇みたいな呼び方なんだよ!」
伊織「だって、ひでともって…なんか武将とかにいそうじゃない?前から呼んで見たかったのよねぇ…立膝着いてぇ、お呼びでしょうか…殿、みたいなー!」
秀朝(N)朝から俺を武将みたいと楽しげに話す伊織とあったのは2年前。
痴漢にあっていた彼女を助けたのがきっかけだった。
助けてくれたお礼にと食事に誘われ、それから交際が始まった。
明るく、ちょっとおバカなところもあるが、俺はそれも含めて愛してる
伊織「今おバカって言われた気がする!」
秀朝「い、いや、言ってないよ!うん、言ってない…(小声で)妙に鋭い時あるんだよなぁ…」
伊織「そう?まあ、いいわ……ほら、上様…早く支度しないと遅刻致しますわよ?私めが着替えをお手伝い致します、さあ…服をお脱ぎになって」
秀朝「なんで着替えるのに押し倒されるんだよ!ひとりで準備するから!あと、上様はやめてくれぇ!」
伊織「もう、仕方ないわね…じゃあ私にキスしたら許してあげる」
秀朝「……わかったよ(リップ音)ほらこれでいいだろ?」
伊織「上様からの愛、有難く頂戴致しました」
秀朝「だーかーらー!」
伊織「はいはい、わかったわよ…もう、ひでは冗談通じないなぁ…朝ごはん出来てるから食べよ!」
秀朝「やっと準備出来る…まったく……でもこのやり取りが安心するな」
伊織「え?何か言った?」
秀朝「なにもー」
伊織「さ、早く食べよ!朝からひでがイチャイチャしてきたからお腹すいちゃった!」
秀朝「イチャついてきたのは伊織からだろ!いただきまーす…朝から凄い品数だね……あ、このスープ美味しいなぁ!」
伊織「それはね、海蛇のスープ♪こっちは牡蠣のバター焼き、鰻巻き卵にドリンクは赤マムシ!」
秀朝「いやいや、どんだけ精力つく食べ物出してるんだよ!」
伊織「あ、生卵飲む?」
秀朝「いらないいらない!赤マムシと生卵って…どこかで聞いた気はするけど…朝からはいらないから!」
伊織「いらないの?最近暑くなってきたからバテないようにと思ったのに…(泣き真似)」
秀朝「あー、もう!わかった飲みます!飲みますよ!」
伊織「ほんと⁉️ひで大好き♡」
秀朝「はぁ…まったく、調子いいんだから」
伊織「あ、そろそろ出る時間よ?」
秀朝「そうだね、じゃあ行ってくるよ」
伊織「うん、行ってらっしゃい(リップ音)」
秀朝「ありがとう(リップ音)」
秀朝(N)さて、出勤だけど…朝からあれだけのもの食べたら体が火照ってるな…まいったな…
伊織「上様!朝からあれだけ食べて大丈夫ですか!?」
秀朝「そう思うなら少しは控えてくれー!あと呼び方ー!」
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