こないだのつまみ #20 ソムタムのピーナッツ
2月と3月の間ぐらいになると、なぜか私は毎年タイ料理がどうにも食べたくなる。「啓蟄」なんて言葉があるが、私の中の何かの虫が「タイ料理が食べたい!」とわめきながら土ごもりから目覚めてくるような感じ。
今年も2月の終わり頃、タイ料理を欲してムズムズしてきたので、近所でテイクアウトしてきた.
春雨の和えもの「ヤムウンセン」、すっかり日本でも人気になった焼きそばの「パッタイ」、そして青パパイヤの和えもの「ソムタム」の3種をチョイス。ちなみに近所のお店はタイ人のご夫婦がやられていて、もう10年以上続く人気店だ。辛さを好みに調整してくれるのもありがたい。
写真手前がソムタム。
熟す前のパパイヤは甘くなくて食感もしっかり。これを細切りにして、ライムのしぼり汁にナンプラー、唐辛子、干しえび、にんにく、砂糖少々で叩き和えるのが一般的な作り方だと思う(細かいことをいうと、干しえびを使わないソムタムもあるけれど)。
生いんげん、ミニトマト、そしてピーナッツがお決まりの具となる。和食じゃ考えられない、意外な組み合わせがたのしい。
私はこのソムタムにおけるピーナッツがどーーーーにも好きなんである。ライムににんにく、そして青いパパイヤの香りをまとったピーナッツ。ほどよく塩気があって、香りが複雑で、湿ってちょっと柔らかくなった食感もいい。これをちびちびつまみながら、ビールをぐびっとやるときの幸せなことよ……。
※ちなみにソムタムはお店だとかなり辛くして出されることが多いので、「食べてみようかな」と思われた方は注意してください。
年末からお正月、そして2月と冬の食べものが続いて、体が飽きてきた頃に欲してしまうタイ料理。ソムタムのピーナッツは、私にとって「冬の終わり」を告げるアテでもある(いや夏や秋も食べるんだけどね)。
ちなみにソムタム、マニアックな素材だが「はやとうり」で作っても実においしい。作れる人、もし手に入ったら試してみてほしい。
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