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『たまごかけご飯だって、立派な自炊です。』という本を作りました。

2月17日に、私の新しい本が発売になりました。
タイトルは『たまごかけご飯だって、立派な自炊です。』、前作の『自炊力』からもう一歩進んで、「自炊生活、こんなことでもいいんじゃない?」という実践アドバイス的な内容です。

①「料理はしてこなかった」「あんまり料理に興味は持てない」人向け

世の中には料理好きのための本、「料理を覚えるぞ!」な人向けの本はいくらでもあります。でも「基本、料理に興味ない」けど「そうもいってられない、生活上やらなくちゃ」な人向けの本はなかなかない。

料理する人からしたら、目玉焼きやゆでたまごを作ることはやさしい。でも興味がなくて、それらを作るところも見たことがないと、どちらも簡単に作れるものじゃありません。第一、買い物に行ってスーパーで「どのたまごを選ぶか?」だって迷っちゃうもの。本書のスタートライン、そこからです。

②「うまく作る」は目的じゃない。「嫌いにならない」が自炊は大事

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自炊し始めって、やっぱり成功体験ばかりというわけにはいきません。目玉焼きひとつでも、自分のイメージどおりにはいかないだろうし、面倒くさくなることもあるだろうし、時には食材を使いきれないことだってある。

そんなとき、「もっとちゃんとやらなくちゃ」「うまくできない自分……やっぱダメだ」と思ってしまい、つらくなっちゃうことも。そして「やっぱ、やめた」となりがち。

料理しだした頃に陥りやすい「穴」って、いろいろあるんですよ。そこに落ちてしまわないために知っておいてほしいことを、5つのコラムにしてあります。「こういう考え方、自分も最初に知っておきたかった」ということを詰め込みました。目標を高く掲げすぎない、時には捨てる思い切りも大事、自分がよければそれでいいのが自炊……などなど。

一日一回、たまごかけごはんにするのだって立派な自炊です。この本、「たまごで養う自炊力」が副題なんですが、紹介する料理として、だし巻きやオムレツは入れてません。なぜなら、ビギナーがやると失敗しやすいから。文章だけ読んで作れるようなものじゃないと私は思うんです。何も最初に失敗体験することはありません。自炊はうまくなる必要はない、ただ習慣づけが大事です。そのためには「嫌いにならない」ことがポイント。

③なんでたまご?

たまごって、
値段が安定
・栄養バランスを補いやすい
・味の満足度を引き上げる力も強い。
・いろんなものに加えやすい、足しやすい

といった長所があります。そして現代は、コンビニ弁当やインスタント、レトルト、カップスープなどを日常でよく利用する人が多数。たまごって、これらのいずれもに足しやすく、栄養を補って、彩りを与えてくれる。なおかつ足すことで「手作り感がちょっと出る」んですね。ホッとする味わいに近づく。

カップラーメンにたまごを落とす、ゆでたまごや温泉たまご加えるのだって、じゅうぶん自炊です。ちょい足し応用例も、書内で多く示すようにしました。何気ないことに思われるかもですが、具体的に提示することはとても必要なことと考えています。

また本著では、たまご料理をあれこれ覚えることよりも、たまごを「何に加えるか、どう加えるか」ということを大事に構成しました。

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「自炊はなるたけミニマムでいい」というスタイルの人だったら、レパートリーをやたらに増やすよりも、まず「加える力」を養うのがおすすめ。ゆでたまごや目玉焼きを何に加えるか。たまご丼をまず覚えて、そこに具をどう加えていくか。

「自炊力=料理力」ではありません。1つ料理を覚えたら、そこに「何を加えるか」「何に足すか」を柔軟に発想できることも、自炊力の一部です。

④自分をラクにするもの、どんどん知ってくれ!

この観点、本書内ですごく大事にしてます。カット野菜、冷凍野菜、切れてるバター、刻んであるネギのパック、めんつゆ、缶詰、少量調味料、早ゆでパスタ……現代は便利なものがいっぱい。イチからやらなくて済むもの、使い切れなくて古くしがちなものは避ける、手間や時間をカットできる製品、味つけが決まりやすい調味料…情報をあちこちに盛り込んでますよ。

というか「炒りたまご作ったら、メインは買ってこよう」みたいな提案もしてます。それでじゅうぶん。全部作らなくていい。自炊はやる人の数だけその形があるんです。「全部作らないとか手抜き~」なんて言う人からは、離れましょう私から消えましょう私から。

などなど、いろいろ並べ立てましたが、基本は「ゆるく」を大切にしています。自炊は試験があるわけじゃなし、やらなきゃ死ぬわけじゃなし。自分がよければそれでいい。

「正直料理、あんまり興味持てず」「なるべく手間なしで」派にとって便利な、つき合いやすい本であってくれたら、というのが私の願いです。もちろん、「なんだ……ちょっと料理、楽しいじゃん」なんて思ってくれたら最高ですけども、ね。

どうぞ、よろしくお願いいたします!

白央篤司

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