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私を構成する5つのマンガ

これいい企画ですよね。自分の人生を振り返るようで。
せっかくなのでマンガの内容よりも、自分との関わりに重きを置いて5つを紹介します。

1.めぞん一刻

 多分人生で一番多く読み返しているマンガがこれ。読んだきっかけは母親がめぞん一刻を好きで、全巻家に置いてあったのを勝手に読んだこと。
 初めて読んだときは小学生のとき。正直男女の機微とか、ストーリーの本質的なところは多分一切わかってなかったけど、四谷さんとか朱美さんとか一刻館のキャラクターがすごく気に入っていて、その雰囲気のために何度も読んでいた(最初は未亡人の意味とか、惣一郎さんの面影系の話はまじでなにもわかってなかった)。
 それが自分が大きくなるにつれて、段々と心理描写がわかるようになってきたり、下系の話がわかるようになってきたりで、セリフ覚えるくらい何度も読んだマンガなのに、読むたびに世界が広がっていく感じがしたのも良い思い出。

 このマンガの好きなところは、小学生のあの頃と同じで一刻館の雰囲気。とにかくキャラクターの賑やかさがとても好き。高橋留美子作品は全般的にそうだと思ってるんですが、メインキャラ以外の塩加減が絶妙ですよね。濃すぎず薄すぎず。一つ屋根の下にああいうキャラクターが揃っているっていうシチュエーションが天才的だと思います。ちなみに住人で一番好きなのは二階堂くん。不憫なので。

2.ドカベン

 人生で二番目のマンガ読書カロリーを消費しているマンガ。アルの画像はドリームトーナメント編ですが、高校編から制覇しています。
 このマンガとの出会いは小学生だった頃の羽田空港の本屋さん。親の出張で秋田へ向かう飛行機に乗る前に、機内は暇だろうと親がマンガを買ってくれることになり、何気なく当時スポーツのプロ野球とドラベースが好きだった自分はなんとなく野球が表紙のマンガを手にとったのでした。あの頃はまだ「単行本」という概念をよくわかっておらず(めぞん一刻読んでたのにね)、平積みされているマンガを手にとったのですが、それがドカベンプロ野球編の38巻でした。
 そんな中途半端な巻から買ったので、当然前のストーリーなんてわからなかったわけですが、そこは野球漫画の強み。ストーリーがわからなくても、打席単位、試合単位の駆け引きだけで面白い。38巻はちょうと6打席連続ホームランをかけた山田vs里中で、スカイフォークという単語もかっこよかった。
 これで水島ワールドに引き込まれた自分はお年玉の残りを握りしめて本屋と古本屋へ向かい、足掛け2年分のお年玉とお小遣いをつぎ込んでドカベン全巻を揃えたのでした。

 ドカベンの魅力はなんといっても『駆け引き』! リアル路線でもなくスポ根魔球路線でもなく、突拍子な技の数々も「なんか、ありそうな……」のギリギリをついてくる。それでいて、球種とかなんだとか、勝負事における策の張り合いがとても良い。岩鬼関連の互いの工夫は全部好き。
 好きなキャラクターも岩鬼。実は山田太郎はそんなに好きじゃない。

3.げんしけん

 げんしけんは私のマンガオタク化を決定づけたマンガ。ある意味で戦犯。中学生の時に友人に貸してもらって読んだのがきっかけ。すでにオタクに半分片足突っ込みながら、一方でそれまでオタクというものをよくわかっていなかった自分にとって、オタクの生態を描いたこの漫画は、なんだかイケナイ世界を覗いているようでドキドキしました(実際にエロゲとかエロ同人の話多いしね……)。
 あと一番いけなかったのは、これでアフタヌーンやモーニングを始めとした講談社系青年コミック誌の存在を知ってしまったこと。それまで健気にこち亀とかNARUTOとかファンタジスタとか読んでいた少年は、げんしけんを皮切りに青年にマンガ沼にハマっていくのでした……。

 げんしけんの魅力はその卑屈さ。斑目さん然り、ササヤンもまあ人としての葛藤を色々抱えていたりとただのサブカルマンガに閉じない、なんか人としての嫌らしさが色々見える点が大好きです。当時のオタクのメンタリティをよく表現していた気がします。
 好きなキャラクターは笹原。げんしけんの”主役”は斑目さんだったけど、ちゃんと主人公してたと思うよ。

4.かりん

 人生で一番最初にハマったいわゆる萌えマンガ。そして、高橋留美子作品以外では初めてハマったラブコメかもしれない。きっかけはこちらも友人に借りた。
 それまで少年誌のラブコメはあまり刺さらず、萌えマンガ系もあんまりだったのだが、「かりん」はなにかクるものがあった。最初は単純に増血鬼・鼻血が出ちゃうという突拍子もない設定が気になって読んでいたのだけれど、シリアス展開、鬱展開があって話の波はしっかりあるし、それでいてヒロインはしっかりかわいいし、でどんどんハマって行きました。
 自分にとって、萌えマンガなんて女の子がかわいいだけだろ、という固定観念を打ち破ってくれた作品(一方で私の中での角川のマンガの打率は低いのですが……)。

 この作品の好きなところは、物語を通じてオチに至るまで独特の設定・世界観を活かし続けているところ。斬新な設定・ネタを武器にした漫画って、得てして序盤で一通りの設定を生かしたエピソードをやりきると、キャラの関係性と反比例するかのように設定が生かされない”ただのキャラ物”になってしまうマンガも少なくないと思います。
 でもかりんは、萌え血ラブコメを基本線にはしつつ、鉄板の種族対立だけではなく、種族固有の問題とか、そもそもの増血の問題とか、世界観を活かそうとしているエピソードをやりきってます。武器を生かしているマンガって、最後まで安心して読んでいられるんですよね。
 好きなキャラクターはマーカー夫妻。人間主人公に夫婦揃って比較的好意的って新しくないですか?

5.鋼の錬金術師

 なんだろう、一番言語化できないけど、とても好きなマンガ代表。理屈じゃないのよ。なんか全体的に良い。出会ったのもちょうど中2のとき。ダークファンタジーと中学生の相性はいわずもがな。

 好きなポイントはいっぱいあるんだけど、一番は多分とても感情移入できるところだと思う。各キャラの行動原理や背景がしっかりと描写されていて、敵でさえ死んでしまうと悲しい……。ファンタジーなんだけど、心情とか教訓という意味では結構リアルだったと思いますよ。やっぱり命の描写に長ける荒川先生だからこそのファンタジー。
 好きなキャラクターはやっぱりヒューズ中佐。ああいう三枚目キャラにめっぽう弱いのです。娘の溺愛ネタとても好き。自分にも子供が生まれてもっと好きになったキャラクター。ギャグ表現と思いきやあの気持、とても良くわかります。

おわりに

 あまり意識せずに選んだのですが、やっぱりというかなんというか自分のマンガオタとしての原点に近い(どれも小、中学生の時に読んだ)作品になりました。やっぱり、マンガによって自分の世界が開かれていく、というあの感覚が強いのでしょうね。この企画でそういう感覚があったことを思い出させてもらいました。ありがとうございます。そしてこの記事を書いた今、しみじみこう思います。

やっぱりマンガって本当に良いものですね!

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