見出し画像

生理学は、こう勉強する!

――はじめに――

基礎医学の勉強法アドバイス

各論として、今回は生理学についてアドバイスです。

まずは総論を読むことをオススメします。

――STEP.1――

基本的には、生化学と同じです。

取り組み方も一緒。なので、教材だけ挙げておきます。

まずはこれ。何周も通しました。

あとはこれです。これもちゃんとやれば、CBTは余裕でしょう。

――STEP2.――

集中講義でも構わないと思います。

ここでは例によってイラストレイテッドです。

今回は、、、

執筆者の中に私が知っている先生がいらっしゃるんです…σ(^◇^;)

なので、

  全部重要です!!頑張って勉強しましょう!?

嘘です。忖度はNG!
安心して下さい、ちゃんと分けていきますよ!!

■重要なこと(何度も繰り返して頭にたたき込む!!)

●(★★)細胞と膜の生理学

フィックの法則とかは、あんまり気にしないでいいです。
他も、覚えていたからといって国試の点に直結はしません。

ですけど、生理学を学ぶ以上は頑張って勉強しましょう!
どうせ薬理学で頑張らないといけませんからσ(^◇^;)
生化学サボっちゃった系男子/女子のみなさんも、頑張ってみて★

臨床:チロシンキナーゼ阻害薬、Ca拮抗薬、AchE阻害薬など。

●(★★)浸透と体液

ここは重要です。ちゃんと勉強しておけば酸塩基も輸液もバッチリ★

臨床:酸塩基平衡、輸液、脱水

●(★★★)神経系の構成、中枢神経系、自律神経系

厳密には、「神経系の構成」自体はそこまで必要じゃないです。

けど、「中枢神経系」「自律神経系」を理解するためにセットでくっついてきます。

「中枢神経系」「自律神経系」は超超超重要!!ちゃんとやりましょう!
ちゃんとやれば、国試の勉強の5%ぐらいはすでに終わりです!!

臨床:神経総論、内分泌代謝総論

●(★★★)皮膚

おなじ感覚器なのに、皮膚の方は( ゚∀゚)チョウドイイ!!

皮膚科の総論としてしっかり勉強しておきましょう。

※感覚器 「眼科」「耳鼻咽喉科」「皮膚科」の総称です。
臨床:皮膚科総論

●(★)心血管系調節

あまりに循環器が「わりとどうでもいい」の方に入ってしまいました。

まあ、生理学のレベルで勉強するのは重荷なんです、ほんとに。

その中でも、「心血管系調節」については頑張ってもいいと思います!

(余裕で受かるなら)国試でもこれくらいのレベルは要求されますー。

臨床:アルドステロン症、輸液、心不全、VVRとか?
※色んなところで重要なんですけど、何と言ったらいいものか…。

●(★)特殊循環系

ココ自体は、「ふーん」でいいと思うんです。

ただ、臓器横断的な見方をしている面白いチャプターなのでオススメ★

Willis' circleは脳血管ですし、冠動脈は心臓です。

国試直前は、今まで「神経」とか「循環器」のように臓器別で見てきた医学を「めまいが起こる疾患」とか「血流の異常による疾患」みたいな感じで病態や症候別に見ていくことが多いです。

そういう練習の第一歩として、勉強してみたらいいのではないでしょうか?
敢えて具体的な疾患名を並べておきますね♪

臨床:もやもや病、Bland-White-Garland syndromeなど

●(★★)呼吸調節

ここは、ちゃんと勉強しておくと強いですねー。

臨床的に重要なトピックが3つくらいあるんですけど、その病態生理を学ぶときにこのレベルで勉強していると最強です。わたしも勉強しておけば良かったなーσ(^◇^;)

臨床:CO2ナルコーシス、OSAS、異常呼吸、減圧症など

●(★★★)ろ過と排尿

うん、重要ですねー。

これだけで、国試の勉強の7%くらいが終わる気がします( ̄□ ̄;)

臨床:腎の総論、泌尿器の総論

●(★★★)水と電解質のバランス

意外かもしれないですけど、国試でもほとんどこのレベルが要求されますー

まあ、一部意味不明な式はありますけど。

逆に言うと、それ以外は大事って事ですね!

臨床:電解質異常、酸塩基異常を伴う病態全般


幅が広すぎて書けないという意味です。
どの科を勉強していても顔を出してくるトピックなんですよσ(^◇^;)

●(★)消化器系の基本構造・機能とシグナル伝達系

けっこう大事ですねー。

だけど、「消化の相」はあんまり気にしないでいいかも…。

臨床:消化管の総論

●(★)外分泌膵と肝臓

意外なことに、このレベルで勉強しているくらいが丁度いいかも!

●(★★★★)内分泌系

つい★4つあげちゃいました( ;^^)ヘ..

というのも、「内分泌系」の項目は全部重要だからです。

●内分泌膵と肝臓
●副腎
●甲状腺と副甲状腺
●女性と男性の性腺

ちゃんと勉強すれば国試の勉強の5%が終わりますね♪
(こればっかり言ってる気がしますけど、実際ホントです。)

臨床:内分泌総論、産婦人科総論、泌尿器科総論

●(★★)運動

これも、それ自体は「ふーん」でいいんですよー。

ですけど、運動という切り口から色んな臓器を横断して眺めていますよね。

こういう臓器横断的な目線に低学年のころから慣れ親しんでおくと強い。

臨床では多岐にわたるので、あえては書きません。

■わりとどうでもいいこと(ふーん、くらいでOK)

●膜興奮性

ここは、知らなくてもなんとかなりますねー。

循環器専門医とか目指すんだったら、心電図と密接に関係してくるので頑張りましょう。あとは、麻酔科を学問的に勉強したいという人にも重要ですー

臨床:心電図、麻酔(筋弛緩薬など)

●上皮組織と結合組織

どうせ組織学でガッチリ勉強するので、いまは頑張らなくてもいいかも。

●視覚、聴覚、平衡感覚、味覚、嗅覚

ここは、臨床でメジャー科が終わったタイミングじゃないと微妙です。

そのころには生理学の教科書なんて開かないと思うんですけど、逆にそのタイミングで読むとスラスラ頭に入ってくると思います。

今のうちに付箋でも貼っておいて、CBT前ぐらいに勉強するといいかもー

臨床:眼科、耳鼻咽喉科の総論

●運動制御系

学生のうちから神経の研究をしたい人とかは全部読みましょう。

臨床には大きく関わってくるんですけど、ここまでの知識(SNPCとかSNPRとかね)は国試には不要というわけで、こちらに分けました。

臨床:不随意運動疾患(パーキンソン病、ハンチントン病など)

●骨格筋、心筋、平滑筋

ここまでの知識はいらないかなー。例によって残っている知識を書くと…

骨格筋:NMJでAchがAchRに結合してCaが放出される。
心筋:(あえて言うなら)スターリングの法則とかあったなー。
平滑筋:♪ d(⌒o⌒)b♪
臨床:筋ジストロフィー、重症筋無力症、HOCM、Rhoキナーゼ阻害薬など

●骨

うーん、いらない! 
あ、エストロゲンが骨代謝に関わることは覚えときましょう。

臨床:骨粗鬆症など

●心臓の興奮、心臓力学

これですねー、臨床に入って循環器で学んだ方がいいです。

特に心電図。特に不整脈と心不全。
こいつらは生理学で勉強しても頭に入りませーんσ(^◇^;)

なので、どうしても大学の臨床講義を待てずに気になる人は、、、

予備校の講座で循環器を受講した方がいいと思います。
臨床:心電図と不整脈、心不全

●血液と血管系

レイノルズ方程式とか、スターリング平衡状態とか?

あと、ポアズイユの法則とか??

いやー、いらないですね。物理が大好きだったら楽しいのかも。

臨床:Korotkoff音の発生、心不全と浮腫

●肺メカニクス

臨床に入らないと全くイメージがわかない系Part.2ですー

閉塞性疾患とか拘束性疾患とかを今勉強しても頭がパニックになるだけ…

臨床:喘息、COPD、IPFなど

●ガス交換

臨床的には酸素解離曲線とHenderson-Hasselbalch equationぐらいかも。

換気血流比不均等についても、ここまで深く知らなくていいですし…

酸塩基はどうせ国試前に勉強すると思うし、そのときになったら頭に入りますから無理して今頑張る必要はないかもー。

臨床:I型呼吸不全、酸塩基平衡など

●再吸収と分泌、尿生成

腎臓内科的には最重要かもしれませんねー。

ポリクリでクールに決めたい系のみなさんは勉強しておくとGood!

ただ、国試的には重荷過ぎます。理解しておけば強いのはホントです。

臨床:
利尿薬を用いる疾患全般(尿崩症、アルドステロン症など)
尿細管疾患(Fanconi症候群とか、Bartter症候群とか)

●口、食道、胃、小腸、大腸

ちょっと深すぎるかな~。

これやるくらいなら、予備校の講座の消化管を頑張って勉強しましょう★

臨床:消化管の総論

●妊娠と出産

産婦人科で勉強するのが一番です。

産婦人科自体、内科外科などが仕上がらないとスタートラインにすら立てないのですー。

だから、内科外科すら勉強していない段階で頑張ったところで、2週間もすれば忘れることは間違いないでしょう。

どうしても勉強したければ、予備校の産婦人科の講座を見ましょう。

臨床:産婦人科全般

●温熱ストレスと発熱

知らない人の方が多いんじゃないかなー

臨床:熱中症、低体温症など

●システムの機能不全

むしろ研修医とかになってからの方が読み応えありますね、これ。

国家試験を終えた6年生とかが読むべきかも。

逆に、臨床医学を勉強していない段階で手を付けない方がいいです。

臨床:救急全般

――STEP.3――

挙げるのは気が進まないんですけど、一応あげときますね。

これ買うお金で美味しいものでも食べた方が…。
予備校の講座買うのでもいいですけど。

※もちろん、研究に進みたい人とかは読んでください。

――おわりに――

生理学って、生化学よりは臨床に近づいていくんですよね。
だけど、臨床とは似て非なるものと考えてください。
だからこそ、中途半端に臨床を勉強して困惑するんです。

それだったら、最初から臨床を勉強しちゃいましょう★

その方が、国試のときに本当に使える知識が身についています。

STEP2.にチャレンジする人は、ぜひ頑張ってみてください!!!

お読みいただきありがとうございました。

もしよかったら、他の記事も読んでみてくださいね★

またどこかでお会いしましょう。

2022/02/16:初版
2022/02/17:加筆修正。分離済み。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?