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令和の医学生が知っておきたいこと

こんにちは。116回医師国家試験を受験して、合格発表待ちです。

※追記:2022/03/16 無事合格しました。

「医学部を卒業する私」が、「これからの医学生」に伝えるとしたら??

6年間、私自身は後悔ありません。そう言い切れます。
だけど、もっとできることがあったかもなー、と思うこともあるんです。

だから、伝えたい!!!

まあ、実際に6年生にならなきゃ身に沁みないこともありますが…

※重要度を★で3段階にランク付けしています。
好きなところから読んで下さい♪

――勉強編――

【要約】

・予備校の講座は早いほどいい。ガンガン進めていく!!
・大学で臨床講義が始まるまでは、総論を重視する!!
・低学年のうちからちゃんとすると、国試にピリピリしなくて済む。

■その1.M1(医学部1年生)

・(★★★)英語の勉強を続けよう

せっかく高めてきた英語力。一生使います!

さび付かないように、毎日5分でいいので英語に触れましょう。

英語で日記を書いてみるとか、バイトで英語を教えるとか、何でもいいです。とにかく英語を忘れないように意識して下さい。

もちろん、資格試験へのチャレンジもおすすめ。
私は英検1級を取りました。

英検1級は結構勉強しました。

時間を割けるのは、大学生がラストチャンスだと思います。頑張って!!!

・(★)教養課程、真面目に取り組もう

単位が楽に取れるかどうか、を重視して履修登録する人がいます。

だけど、それって虚しくないですか?
興味もないことを勉強するのって楽しいですか?

医学以外のことをちゃんと学べるのって、最後のチャンスですよ??
部活の先輩とかの声を聴くのも大事ですけど、自分のことを考えてみて!!

・(★)生物選択、大して有利じゃないです!

心配いりませんよ!生物選択が有利なのは精々1年生のときだけです。

・(★★★)さっさとmedu4とか初めてみたら?

これ、大事!!!

117回以降の医師国家試験がどうなるかは、全く分かりません。
ですけど、基礎医学は早めに勉強した方が得です!!

そこで、medu4の「あたらしい基礎医学」をすすめます。
※回し者ではありませんσ(^◇^;)

1年生がいきなり基礎医学を独学で勉強するのはツライです。挫折します。


とりあえず「基礎医学」という形でまとめて勉強してみませんか?
「あたらしい基礎医学」は、入学初日から初めても全く問題ないですー

基礎医学の勉強については、こちらも参考にしてみてください。

■その2.M2-M4:ポリクリが始まるまで

・(★★)CBTを見据えて勉強する

4年生になって受験するCBTでは、基礎医学も結構出題されます。

これ、苦手な人多いんですよねー

どうせ苦労するんだったら、早いうちに始めた方がいいですよー

最近はQBが紙で販売されていないので大変なんですけど、中古でいいので昔のQBを手に入れて勉強を進めてください。

大学の講義のペースに合わせてQBを進めていくと最強です★

・(★★★)臨床が始まっていなくても予備校の国試向け講座をはじめる

臨床講義が始まっていなくても、Qアシとかmedu4始めちゃいましょう!

順番は適当で構いません。興味があるところから見ればいいと思います。

ただ、まずは「内科外科(いわゆるメジャー)」の「総論」です。

各論の疾患を勉強したい気持ちは分かるんですけど、ぐっとこらえて!!
大学で臨床の講義が始まってからでも遅くありませんから。

まずは、「総論」を徹底的に勉強しましょう。

予備校の先生がビデオの中で次に言うことを、先回りして言えるくらいが理想です。

まあ丸投げもあんまりなので…
パッと思いついただけの試問並べときます(`・ω・´)

 ●腎:解剖大丈夫ですか?クレアチニンクリアランス計算できますか?
 ●内代:HPA axis完璧ですか? RAA系とか説明できますか?
 ●血液:基準値大丈夫ですか? TIBCって何ですか?
 ●免疫:どのサイトカインが何をやってるんですか?
 ●呼吸器:終末細気管支って何ですか?サーファクタントって何ですか?
 ●循環器:血液の流れはどうなってますか?弁の位置関係は?
 ●消化管:消化管ホルモンの働きは?SCJって何?
 ●肝胆膵:そもそもこの3つの臓器の位置関係は大丈夫?
 ●神経:錐体路説明できる?脳神経と、通る孔とか大丈夫?

余裕があるなら産小老とマイナーも。もちろん総論だけです!!!

・(★★★)OSCEの練習は、早めに動こう

あとで「生活編」で書きますけど、M4の春までには「お互いに」「気心の知れた」「同性の」友人が最低2人は欲しいです。ちなみに、最大でも5人だと思います。

私の拙い文章を読んでくれている貴方は行動力があると思うので、そういう人たちを巻き込んで計画を立て、早めに動いて下さい。

■その3.M4-M6:ポリクリ、クリクラ

・(★★)ポリクリの不安は情報収集で解消♪

ポリクリ、不安な人多いと思うんです。
わたしもそうでした。でも、当時はわたしの心を満たす情報はなかった…。

だから、作りました。不安な人は読んでみてください!!

・(★★★)予備校の講座を1回は通す

自分が回っている科に合わせてポリクリの時点で1回は講座を通しましょう。ポリクリはキツイ科もあると思うんですけど、これやっておくと国試勉強が本当に変わります。

・(★)受け持った患者さんの情報をまとめたノートを作る

これ、やっておきたかったなあ…

紙のノートでもiPadとかでもいいんですけど、

 ●年齢
 ●性別
 ●入院時の主訴
 ●診断名
 ●自分が受け持ったときのプロブレム
 ●そのプロブレムへの対応と転帰
 ●考察や感想

をまとめたノートを作るといいと思います。
国家試験の時にものすごく役立つと思います!!!

(例)
産科実習で担当した30代女性 入院時の主訴:性器出血 診断名:前置胎盤
受け持ったときのプロブレム:帝王切開に対する不安
対応と転帰:傾聴と共感。予定通り手術は行われ、児も無事だった。
考察:患者の帝王切開への不安は大きかったが、主治医の傾聴と共感により相当落ち着いたようだった。傾聴と共感、と言葉に表すと簡単だが、実践するとなると難しいと思う。今回のケースをロールモデルとしたい。

これくらいで十分OKだと思います。

ポリクリとかクリクラで経験する患者さんって、相当強くインパクトに残ってるものではあるんですけど、やっぱりそのときの感動をノートに残しておくとあとから読んだときに臨場感が味わえると思います。

・(★★)1日に1つ、実習で気になったことをノートにまとめる

これも!!! やっておきたかったかも…

1つだけです。2つも3つも書くと逆に蛇足です。

1つだけ、その日に一番感動したこととか気になったことを選びましょう。

そして、それについて5分くらいで調べて、10分くらいでまとめてみましょう。この作業に長時間かける意味はありません。でも、やっておくと世界に1つしかない貴重なノートが生まれると思います!

■その4.M6:医師国家試験との闘い

大げさに書きましたけど、大したことないです。
興味がある方はコチラをどうぞ♪

「6年生になったら相当忙しい」
「国家試験前は6年生の先輩たちがピリピリしている」

とか、低学年の頃から色々見たり聞いたりしてきました。

ただ、私には全く当てはまらなかったです。
これを見てくれている皆さんも、全く心配しなくていいと思います。

適度に楽しく、適度に苦しく勉強して乗り越えましょ(^○^)

・(★★)みんなで受かるのではない。自分が受かるのだ!!

はいコレ、とってもとっても重要です。

10年以上昔は、国試の予備校とかも発達していなかったみたいです。

なので、「みんなで受かる」という考え方が主流でした。「自習室」に籠もって、みんなでペースを合わせて勉強していたみたいです。

みんながと同じようにすれば受かる。みんなと違うことをしたら落ちる。

という時代だったみたいですねー。

今は違います。

国試の闘い方は、予備校が体系化していますし、低学年の段階から講座も見られる時代です。情報は素早くインターネットで共有されますから、もはや「自習室」は必須のものとは言えないんじゃないですか?

・(★★★)自分だけが受かるのではない、自分たちが受かるのだ!!

なんかさっきと矛盾してます?

いえいえ、とんでもない。

現代国試では、みんなが同じ事を同じ場所でする必要はなくなりました。

ですけど、人間はずーっと孤独だと100%精神がヤバいことになります。

なので、ペースを保つために気の合う友人たちと楽しんで勉強しましょう。

いつも同じ場所にいなくていいです。週に1回の午前中、オンラインで会うくらいが十分です。普段はみんな別々の場所で別々のペースで自由に勉強しています。使っている教材も違うし、勉強の仕方も違います。それで、たまーにオンラインで集まって、勉強した知識を共有するんです。

気の合う友人がいないなら、インターネットでもいいと思いますよ?

TwitterやYouTube、それこそnoteとかで情報を発信してもいいですし、勉強会を企画してもいいと思います。ただ、依存しないように!!

――生活編――

■M1

・(★)1年生からバイトを始めよう

学年が進むにつれ、買いたいものや「やりたいこと」が増えてきます。

1年生の頃からバイトしてお金をためておくと、本当に楽だと思います。

私が本格的にバイトを始めたのは3年生の春でした。それでも結構色々なものを買うことが出来ましたけど、やっぱり早いほうがいいです。

■M2-M4

・(★★★)気の合う同性の友人を2人見つけよう

医学部ではOSCEという実技試験があります。

OSCEでは身体を触ります。触られます。

家族よりも近いパーソナルスペースに入ってこられます。緊張していたら思う存分練習ができません。そのときに、気心の知れた同性の友達というのは心強いです。

4年次OSCEでも6年次OSCEでもそうですが、あくまで試験です。
医療行為ではありません。気恥ずかしさは当然あります。

身体に触れるので、男性だろうと女性だろうと、異性は含めない方がいいと思います。これは差別でも何でもありません。真剣に試験勉強しないといけないからです。悠長なことは言ってられません。

――その他――

・(★★★)気になったことは、何でもやってみよう

人それぞれ興味を持つものがあります。

私は、投資やプログラミング、情報発信に興味を持ちました。

やってみないと分からないことって結構あります。

やってみて楽しければ極めたらいいと思います。

やったけど楽しくなかったら、別のあたらしいことを見つけましょう。

・(★★★)必要なら、お金は惜しまない!!

節約がダメという意味じゃないです。

医学書とかは、積極的に中古を買えばよろしいです。

必要なのに買わない、というのはやめましょう。

買ったけど必要なかったら?――別にいいじゃないですか!

人間って、自分でお金を出したものには大抵本気で向き合います。

本気で向き合うからこそ、楽しくてもつまらなくても意味があるんです。

そのためには、惜しまずにお金を使いたい!

つまり、自分でバイトして稼ぐんですね★

■おわりに

フワッとしてるかもしれないですが、いろいろ書きました。

こういうのって、具体的じゃいけないと思うんです。

皆さんにはみなさんの、私にはわたしの生き方があります。

なので、参考にできるところだけ参考にしてみてください。

質問などあれば、遠慮なくどうぞ!


2022/02/15:初版
2022/02/20:記事のリンクを1つ追加。


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