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水彩画を描く会

 知り合いに誘われて、4月から「水彩画」を描く会に入った。月2回で、会員は15人くらい、70代以上の方々が多く、先生は月に一度、指導に来てくださるようだ。
 あまり縛りがなく、皆さんが楽しそうに描いておられるので私も参加してみようと思った。
 4月初めて会に参加したら、いきなり「5月末の展示会に向けて作品を描くように」と言われた。“うそでしょ!?”
 中学校以来、絵筆なんか持ったことがないような全くの素人の私が、何年も描き続けている皆さんの足を引っ張っては申し訳ない、とお断りをしたのであるが・・・。
 それで、人生で初めて(?)絵の展覧会に出品した。出品と言っても、透明水彩なんて初めて描いた作品なのだ。いいのかな・・・。「上手くなくてもいいから出しなさい。」と皆さんに言われ、本当に穴があったら入りたい感じだったが、取り合えず、薔薇の写真を撮りまくって、なんとか1点だけ絵を仕上げて出品した。


バラ園にて


ピース


 そしたらまあ不思議な事が起こるものだ。
 3日間のうち、初日の展示で見知らぬ女性が「○○君のお母さんですよね・・・」と言ってわざわざあいさつに来てくれた。「息子さんの同級生の母です」と言うことだったが、わたしは全然思い出せず、ぽやんとしていた。聞けば、その女性はもう20年も水彩や油彩も描いているというセミプロ並みの方のようで、そんなベテランに私の拙い絵を見ていただくとは・・・と、逃げ出したい気分だった。
 つぎは、なんと、もう36年も前に勤めていた職場の先輩だ。「小道さんに会いたいという人がいる」と、会の代表の方に呼ばれていってみたら、びっくり!である。あの、頑張り屋の先輩がお元気だったので嬉しかった。もう80歳になるという。
 また、絵の会の先輩は、私の絵を見ている方々に、「この人は4月に入ったばかりの人で、絵は初めて出したのだ」と一生懸命説明してくださっている。あるご夫婦が「初めて描いて、こんな素晴らしい絵が描けるなんて、すごい!」「才能があるんじゃないか」などと、こちらが恥ずかしくなるくらいに褒めちぎってくださった。
 本心を言えば、この絵は「あ~あ、勢いで入っちゃたんだから、描かないわけにいかないしな~・・・」と半ば“義務”で描いたような、決して自信作ではない。わりとネガティブな気分で描いてた時間が多かったような気がするのだが・・・。
 それでも、見る人によっては「最初から作品を出すなんて。やる気があるのに違いない!!」なんて思ってくれたのかなあ・・・。
 会には90歳で絵を描く人が2人もいて、お二人ともパワフルで印象的な絵を描かれる。
 会に参加して良かったとしみじみ思ったのは、いろんな絵がみられて、そしてそれ以上にいろんな人に出会うことができたことかもしれない。

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