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お客様のご要望にこそ、ヒントがある

箔一は、自宅を兼ねた小さな工房からスタートしました。
やがて販路が広がって工場を建設し、本社ビルを作り、創業から数十年たって少しばかり名前が知られ、信頼いただける企業に育ってきました。

そうしたときふと気づくのが、私たちの成長とともに、周囲の期待も上がっていくということです。

数人でやっていた工房の時は、ちょっとしたことでも評価していただきました。ただそれは、私たちが真に求めていた評価ではありませんでした。
「こんな小さな工房なのに、意外と良い商品を作っている」「無名な会社のわりには、案外とデザインが良い」。そんな評価だったのだと思います。

その頃に比べ、もはや簡単に評価していただけることはなくなりました。
品質が良いことも、デザインが良いことも、実績を重ねてきた今となっては当然のことであって、評価の対象にはなりません。これは大変なことですが、世間の目が厳しくなるのは期待度の表れでもあるわけですから、喜ばしいことだと考えなければなりません。

私たちが期待にこたえ続けるために、創業以来ずっと変わらないのは、お客様の要望にノーと言わないことです。

それは、挑戦する姿勢を持ち続けよう。お客様と真剣に向き合おうということでもあります。仮にご要望が無理難題に近いものであったとしても、いったん受け止めて考えることで、見えてくるものもあります。お客様の真意を知れれば、市場のニーズを発見することにもつながります。業界の常識では不可能とされてきたことでも、歯を食いしばって取り組めば、新技術の開発にもつながります。それらは、金沢箔の発展のためにとても大切なことです。

また、そうした姿勢は人材開発にも良い影響を与えます。
日々、向上心を持って、お客様のために頑張っていると、やがて同じような考えを持った人たちが集まってきます。類は友を呼ぶという通り、良い心構えの人は、また同じく良い人を集めます。人も情報も、集まっているところにさらに集まるというのは、本当のことだと感じています。

そうしたことの積み重ねの結果が、よい取引先に恵まれ、良いお客様との出会いにつながり、やがてはブランドと呼ばれるものになっていくのだと思います。

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