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塔2月号 月詠

歌集の帯にそよぐ和毛に陽があたりそこからさきは風の領域

秋霖をもてあまして飲むアーモンドミルクのうすいうすい肉色

アカーキイ・アカーキエウィッチを追悼しダイアローグに火をつけていく

あおいろの香を焚くとき彷徨える無風帯の風の手ざわり

こころなど見透かされつつ鈴懸の素肌をおもうあなたも斑

始発電車がさざ波を立てて走っていく靴下は履かない濡れるから
 
 

2022年2月号

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