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塔9月号 月詠

理のほつれ繕う瑠璃小灰蝶すわかついつい滑空ふたつ

クリープが沈んでいくのを見届ける安寧ですか沖ノ鳥島

夕ぞらの甕をのぞくとまだあかるくて夜をひと匙かきまぜてみる

みたこともきいたこともないのりものの轍をのこし去りゆく夕

秩序よ! 時計の針はひんしゃんと私たちの朝をしらせる

結構です。わたしの骨はたれも名をよばなくなった遺跡ですから

2021年9月号


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