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ボストン美術館のことを調べていたら……約10年前の『Samurai!』展の迫力がすごかった

先日、上野の都立美術館で開催されている、特別展『ボストン美術館展 芸術×力』のことを調べていました。すると偶然にも、2013年にボストン美術館で開催された「Samurai!」という特別展の様子を写した写真が現れたんです。

その写真では、騎馬武者たちが颯爽と駆けているような、迫力ある展示が展開されていました。

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もちろん、こうした展示を好むか否かは好みにもよると思います。ただ私は、単純に「すごいなこれ」と思いました。さすがエンターテイメントの国、アメリカだなぁと。ビジュアルでしっかりと魅せる……美術館に興味がない人でも、これなら集客できるんじゃないかなと。

例えば、知り合いのだれかに「東京国立博物館トーハクって、すごい場所なんだよ。魅力的な展示がたくさんあるんだよ」って、力説したとしても……その人が歴史や美術に興味がなければ、トーハクへ行こうなんて、思わないんですよね(特に子供が……)。一方で、ボストン美術館の「Samurai!」展のように、魅せる展示をすれば、特に小学生の男の子だったら、誰でも見に行きたくなるんじゃないかな。

Samurai LACMA

それで、ボストン美術館って、やっぱりすごいな! と思っていたら……

ボストン美術館のニュースリリースに書かれていたのですが、この特別展は「The Ann and Gabriel Barbier-Mueller Collection」なんですね。つまり、テキサスのダラスにある「アン&ガブリエル・バルビエミュラー」という博物館のコレクションを、借りてきた特別展。同館は、別名「サムライ博物館」、「サムライ コレクション」と呼ばれています……というか、自称していますね(笑)

通常は下の写真のように展示されているようです。(数年前の写真なので、現在とは異なるかもしれません)

これを、色んな美術館に貸し出すことで、様々な展示がなされていますね。

こちらは、ボストン美術館。

Samurai
samurai on horse

↓ 馬が足りないのでしょう。通常は歩くことがないだろう武将たちも、歩かされてしまっています。でも、フルアーマードの武将たちの立ち姿を、間近で見たら、迫力がありそうです(まあ、小田原城や上田城などでも、こうした甲冑姿の人と会ったことはありますが……)。

Samurai at MFA
背景は同館所蔵の『平治物語絵巻 三条殿夜討』ですね(もちろん複製でしょう)。(Flickr:photographynataliaより)
Samurai

特別展でも、写真を自由に撮れるようです。もちろん撮影に関しては賛否があると思いますが、拡散して多くの人に興味を持ってもらうという意味では、できるだけ撮影可にした方が、博物館にとっても良いと思うのですが……。

Samurai

↑ この冑が、このときのイチオシの一つだったようです。
Flame Helmet Representing the Flaming Jewel, early Edo period, c. 1630, Iron, lacquer, lacing, gold, and bronze.「signed Unkai Mitsuhisa kore o tsukuru」……「うんかい みつひさ」という甲冑師がいないか、少し調べてみましたが、ネットでは見つけられませんでした。

Samurai

↑ こちらも、当時のイチオシアイテムの一つでした。江戸時代・安政元年(1854年) に制作された烏天狗(からすてんぐ) の甲冑「天狗当世具足」です。このあたりは、本物なのか、コピー品なのか分かりませんね。

同じ展示品でも、「Los Angeles County Museum of Art(ロサンゼルス・カウンティ美術館)」では、下のようになっています。西海岸最大級の美術館……公立美術館だと思いますが、さすがハリウッドが近いだけあります。天井のライトが真っ赤です。でも、それだけ迫力があって、いわゆる「映えばえ写真」が撮りやすそう。

Los Angeles County Museum of ArtのPR用の画像

面白いのは、展示会の準備風景を動画で公開していることです。アメリカ人の女性二人が、甲冑の展示準備をしているというギャップが、おもしろいです。

本当に、こうした展示方法は、賛否が別れるところだとは思います。展示品も、どこまで本物なのか……怪しい感じもしますしね(とはいえ、普段から模造品は、トーハクにも置いてあります)。

ただわたしは、普段は関心のない人を博物館へ引き込めるということで賛成です。ボストン美術館が出来て、東京国立博物館が出来ないってことはないのではないかなぁと。アニメや乃木坂46、などともコラボできて、リアル脱出ゲームもできるくらいですから、もっと展示品自体をエンタメに振った……一般の人でも親しめるような企画があっても良いんじゃないかと思います。

まぁ従来の特別展でも、「もう入らないよ」っていうくらい集客できる、トーハクには不要なのかもしれませんけどね。でも、こういうハリウッド的な展示は、トーハクのように予算を持っているところじゃないと……プアな雰囲気になりそうだからなぁ……トーハクくらいしか出来ない気がするのです。ということで、今後に期待したいです。

日本人によるボストン美術館のSamurai展じたいのレポートは、下記のブログが読みやすかったです。興味がある方は、読んでみてください。


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