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偽物鑑賞のススメ〜風神雷神図屏風/夏秋草図屏風〜

さて、東京国立博物館には、多くの国宝や重文が収蔵されています。同時に、それらを含む作品の偽物や贋作…というと言葉が悪いのですが…模造や複製も数多く収蔵され、展示されています。

例えば、<2022年8月>現在は、酒井抱一さかいほういつの『秋草図屏風』が……つまり、尾形光琳おがたこうりんの『風神雷神図屏風』が展示されています。

この重要文化財に指定された2つの絵は、今は2つに別れて保存されています。バラバラにされているんです。でも、『夏秋草図屏風』が、尾形光琳の『風神雷神図』の背面に、酒井抱一が後から描き入れたものというのは有名な話ですよね。それが複製品であれば、表裏一体で2つの作品が楽しめ、かつて一橋家で実用されていた往時をしのびやすいんです。

重文『夏秋草図屏風』
複製『夏秋草図屏風』
複製『風神雷神図屏風』
重文『夏秋草図屏風』
複製『夏秋草図屏風』
複製『夏秋草図屏風』ヒルガオ
複製『夏秋草図屏風』ユリとセンノウゲ
複製『夏秋草図屏風』シラユリ
重文『夏秋草図屏風』
複製『夏秋草図屏風』ツタの紅葉と青紫の実
複製『夏秋草図屏風』クズの葉と花
複製『夏秋草図屏風』小さく描かれたこれは花でしょうか……フジバカマ?
重文『夏秋草図屏風』

複製品の何が良いかと言えば、まずはガラス越しではなく、直に見られるということ。ガラスの反射がないので、作品を見やすいです。また本物と異なり、鑑賞する人が極端に少ないから、一人だけでじっくりと眺めたり、細部まで観たりできることです。

さて、『秋草図屏風』の裏…というか、こちらが表のようですが尾形光琳の『風神雷神図屏風』も、間近で観られます。

複製・尾形光琳『風神雷神図屏風』雷神
複製・尾形光琳『風神雷神図屏風』風神
複製・尾形光琳『風神雷神図屏風』

こうして生で間近で見ると、迫力はもちろんなのですが、怖さよりも、なにか2人の神様が楽しんでいるような印象をうけます。

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