朝の六本木。 昨夜の賑わいが嘘のように静まり帰った交差点を渡り、 日比谷線を目指して駅と向かう。 耳には君の貸してくれたヘッドホン。 君の教えてくれた曲が流れる。 仕事の後の疲労があるはずなのに、 不思議と何かしら、君の好きな何かがあるだけで 少しだけ疲れが和らぐ気がした。 少しだけ、と本当は良くないはずの路上喫煙。 君の好きな煙草の香りがする。 仕事終わりだから、 仕事で着いた香りを塗り替えるように君の香りになった。 曇天の空に煙が溶けていく。 朝
新橋駅。 藍色にミルクが溶けたような空の下、 居酒屋の看板とネオンがキラキラと視界に揺れる。 今日は金曜日。 会社員が行き交う喧騒に揉まれながら桜田公園をすぎて路地裏を歩いていく。 今日は少し雲が多い。 そのせいか少し、気分が沈む。 何かに気持ちを溶かしてしまいたかった。 こんな日は、私は必ず【ここ】に行くと決めている。 雑居ビルの階段を上り、喧騒から逃れたジャングルを抜ける。 ジャングルの奥地に突如現れる目の前の扉を開けばそこは、 小豆柳の影が天井に暖かい光と共に
皆さん初めまして、白昼夢です。 軽く自己紹介しておきましょう。 職業学生、と言いたいところですが 事情あって主にバーテンダーとシーシャバー店員をしています。 キャバやガルバ、ラウンジも経験しています。 仮にも世の中的に全うに生きてるとは言えない。 ヴァイオリンを2歳から続けオーケストラに所属しながら、 EDMやハウスが好きで夜な夜なクラブ通いしていたことがあるとか。 親の反対を押し切って、 ずっと描きたかったカクテルの話を描きたいがためにバーテンダーになってみたりだ