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俳句 ハグロトンボ

俳句

新盆や ハグロトンボの 群れを見る


遊歩道へと下りてゆく
紫陽花は灼けていた

名も知らぬ野草の中に
ハグロトンボの群れをみた

黒い羽をひらつかせ
数匹が宙を舞う

パラパラと羽が舞うほど
パラパラと記憶をめくり
挟んだ栞をたどってゆく

その懐かしい面影が
ハグロトンボの羽に映り
くるくると舞っていた

階段を下りきると
遊歩道のすぐそばを
川がゆったりと流れて

どこまでも途切れずに
続いていた

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