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ソーダ水の中の星

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#小説

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「絵梨は何がほしいの?」
真夏の割れそうな日差しの下、聖が空を見上げながら気だるそうに聞いてくる。
「え? わたし?」
「そう。気になるじゃん」
「うーん。何だろう。愛?とか。なんてね」
「愛ねー。はは。女の子だねーやっぱ」
「俺はね。明日がほしいなー。」
「え? 何言ってるの? 明日なんてじっとしてても来るじゃない」
「うん。そこらへんにある明日はね。でも俺がほしいのは……」
「ほしいのは?」

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「君は人の魂を舐めたことがある?」
聖が話しかけてきたことを、今でも鮮やかに覚えている。春になったばかりのある日曜日、いつも通っていた近所の図書館で、聖は濃紺のうつろな瞳でわたしの方をじっと見つめていた。午後の少しだけ気だるくそれでいて神聖な光が、レースのカーテン越しにわたしと聖を暖めていた。そこだけ神様か悪魔が切り取ったみたいに。さわやかな呪いをかけられたようにわたしと聖の座っているあたりだけ、

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 悲鳴を聞いたのは私じゃなかった。まわりの空気だけがその悲鳴を聞いていた。悲しみを喰らう鳥が来て、全部悲しみをついばんで、なかったことにしてくれる。そんな風に私は思っていた。

 焼け焦げた心を見せびらかすようにコーヒーを飲み、私はデスクに座る。いつものようにパソコンを起動させ、デザイン作業の続きに取り掛かる。パソコンが起動するメカニカルな音が、急に私を残酷に仕事へと突き落としていく。
働くことが

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