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読書日記

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読んだ本の感想。私の場合、ベストセラーとか話題の本はあまり読まず、時流からかなりズレている気がします。音楽本や映画本が多いかもしれません。当然、読書案内というより、いい歳をして、… もっと読む
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記事一覧

読書日記 山本 俊輔 /佐藤 洋笑・共著『永遠なる「傷だらけの天使」』

ショーケン絡みの本が出た。山本 俊輔 /佐藤 洋笑・共著『永遠なる「傷だらけの天使」』集英社…

只野成行
8日前
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読書日記 松村雄策・著『ハウリングの音が聴こえる』

松村雄策・著『ハウリングの音が聴こえる』河出書房新社を読んだ。この本は、松村雄策が「小説…

只野成行
2週間前
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読書日記 大下英治・著『ショーケン 天才と狂気』なんだかなあな雑な本

大下英治の『ショーケン 天才と狂気』が文庫になったので、つい買ってしまった。 結局、ショ…

只野成行
1か月前
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読書日記 柳澤健・著『1984年のUWF』はノンフィクションなのか?

1 「ぼくらのふしぎな橋本治 連載1 PANTA」に憤慨してしまった 先日、『小説宝石』の…

只野成行
2か月前
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読書日記 学習参考書のような中川右介の本

中川右介という、本をたくさん出している人がいる。ウィキペディアにはこんなふうに紹介され…

只野成行
2か月前
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読書日記 松尾潔・著『おれの歌を止めるな』日本ポップス界の是枝宏和か

前回の読書日記の三浦英之の『太陽の子』のところで、プロの書評として取り上げた、松尾潔の本…

只野成行
2か月前
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読書日記 三浦英之・著『太陽の子』ノンフィクションとフィクションの間

1 三浦英之の本をまた読んでしまった 三浦英之の本をまた読んだ。今回は、『太陽の子』集英社だ。前回の『牙』の感想文でも書いたが、著者は朝日新聞の記者で、2010年代の数年、アフリカに特派員として赴任していた。 この本は、そのアフリカ時代に取材を始めて、その後、数年かけてまとめられたものだ。当時、著者のtwitter(現X)に寄せられた投稿が発端になっている。 それは、「1970年代、コンゴ(旧ザイール)で鉱山開発にあたった日本企業の社員たちが、現地の女性との間に何人

読書日記 工藤律子・著『マラス』少年少女が自立するには犯罪が手頃な国

工藤律子・著『マラス』集英社 という本を読んだ。 この本は、中米のホンジュラスの若者たち…

只野成行
2か月前
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読書日記 三浦英之・著『牙』   象牙と象の存亡とワシントン条約と実家の食卓

三浦英之・著『牙』小学館 という本を読んだ。 著者は朝日新聞の記者で、経歴を見たら、現在…

只野成行
3か月前
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読書日記『一八〇秒の熱量』愚直が常識を覆す

■山本草介・著『一八〇秒の熱量』双葉文庫 著者は、1976年生まれで、佐藤真門下のドキュ…

只野成行
3か月前
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読書日記 猿渡由紀・著『ウディ・アレン追放』過去作品の評価は変わるのか?

猿渡由紀・著『ウディ・アレン追放』という本を読んだ 2021年に出た本だ。著者はロサン…

只野成行
6か月前
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読書日記 若松英輔・著『イエス伝』私は宗教がわからない

7月に書いた文章。書き直すのが面倒になったので、そのまま出すことにした。最近は、そんなこ…

只野成行
7か月前
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伊丹十三のこと 2 1980年前後、サブカルと思想の最前線にいた伊丹十三

今野勉・著『テレビマン伊丹十三の冒険』東京大学出版会という本を読んだ。 伊丹十三は、俳優…

只野成行
8か月前
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読書日記 大江健三郎晩年の5冊を読んで思った、きっと的外れなこと1 名前がおかしい!

1 私の大江体験 のっけからなんだが、私は、大江健三郎のよい読者ではない。というか、このひとつきくらいの間に、晩年の5作を読んだだけの、ほぼ初心者だ。 読んだのは、 『取り替え子』(2000) 『憂い顔の童子』(2002) 『さようなら、私の本よ!』(2005) 『水死』(2009) 『晩年洋式集』(2013) の5冊だ。 大江健三郎は、今年の3月に亡くなった。それを機会に、読んでみようと思ったのだ。いつものように罰当たりなきっかけだが、読まないよりはいいような気が